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2011.11.07

【特集】実力はすでに世界3位以上! 96kg級に活路を求めた斎川哲克(両毛ヤクルト販売)


(文=保高幸子)

 2008年北京五輪のあと、男子グレコローマン84kg級で第一人者の地位を築き、昨年は世界選手権(ロシア)とアジア大会(中国)に出場した斎川哲克(両毛ヤクルト販売=右写真)。しかし今年は代表落ちし、苦しい1年を過ごした。

 来年に迫ったロンドン五輪出場に向け、五輪出場枠獲りに関し、国内での最後の争いとなるのが1ヶ月半後に迫った全日本選手権だ。斎川は大きな決断を下した。それは階級をアップし、96kg級でロンドン五輪を目指すこと-。

■今年8月、ポーランドの国際大会96kg級で殊勲の白星

 きっかけとなったのは、今夏に行ったハンガリーとポーランドでの武者修行。大きな相手も多く、いい練習ができていた。8月5~6日にポーランド・ラドムで行われた「ピトラシンスキ国際大会」にも出場。当初は84kgで出場する予定だったが、日体大の松本慎吾日体大監督の助言もあり、減量のために数週間を全力で練習できなくなるのではせっかくの武者修行がもったいないのではと、96kg級で出場した。

全日本合宿で120kg級の選手を相手にパワーアップをはかる

 結果は、初戦で1ヵ月後の世界選手権で3位となるルスタム・トトロフ(ロシア)に敗れたものの、敗者復活戦の最初に試合では、やはり世界3位となったセンク・イルデム(トルコ)を撃破。もう1試合を勝ったあと、3位決定戦ではグルジア選手に負けての5位。

 メダルを逃したとはいえ、この段階では“84kg級の斎川”だから、世界3位になる選手を破ったのは上出来の結果だろう。通常体重は93kgと少なかったが、かかる技もあり、スタンドで攻めると相手がばてるのが分かった。96kg級にいい感触があった。

 帰国し、全日本選手権に向けて84kgか96kgかで悩んでいた時、恩師である藤本英男・前日体大部長と松本監督に「減量で本来の力が出なくなるよりは96kgに挑戦してはどうか」とアドバイスされたことで、本人も本格的に階級変更の準備を始めた。

■山口国体の96kg級で地力を発揮

 10月の山口国体には以前から決めていた96kg級で出場。世界選手権代表の有薗拓真(山梨学院大)のほか、今年の全日本選抜選手権の上位選手(王者=森保弘、3位=山本雄資)、さらに全日本社会人120kg級王者の曽我部健を連破して優勝した。

山口国体で、全日本選抜選手権上位選手や社会人王者をしたがえて表彰台の一番高いところに上がった斎川

 「今後の自信になったのではないか」という質問には、「いえ、国体では自信がつきませんでした」と答えた。また、「天皇杯(全日本選手権)で勝つことが目標ではないので…」と、あくまでも視線の先に見えるのはロンドン。「世界で勝てるという自信はないですが、チャンスはゼロじゃない。高い目標を持てば、五輪出場というのは通過点です。入賞を狙います」-。

 「足りないものは?」の質問に、「体力全般ですね」と斎川。「一発の力も必要ですし、5試合全力出し切る持久力も必要」。試合で意識していることは、前に出る事。「体力がないと、前にも出られないんです」と話し、いま自分がやるべきことは分かっている。

 まだ決定していないが、今月も海外武者修行に行くことを考えている。海外の重量級選手は「軽量級のように動ける大きい相手がたくさんいます」と言うように、メリットが多い。

 今の通常体重102kgで、96kg級の世界標準に近づいている。夏とは違い、96kg級で闘うことを見据えての修行になり、得ることもまた多くなるだろう。今まで世界では実績を残せなかった悔しさを、96kg級で晴らしたいところだ。

 「少ないチャンスをつかむためには、質の高い練習をどれだけできるかだと思います。カザフスタンでの予選(3月下旬)で五輪出場枠を取って、五輪までつなげます」と、意欲は満点だ。まずは12月の全日本選手権で力が試される。生まれ変わった斎川を見せて欲しい。

斎川哲克(さいかわ・のりかつ)=両毛ヤクルト販売

 1986年3月11日、栃木県生まれ、25歳。栃木・足利工高~日体大卒。高校時代の03年にJOC杯カデット選手権、全国高校生グレコローマン選手権、国体で優勝し、アジア・カデット選手権でも優勝。日体大へ進み、04年に1年生で全日本学生選手権グレコローマン84kg級で優勝。同年の全日本選手権では2位に入賞した。07年には2階級にまたがって学生四冠王に輝き、フリースタイルででも実力を見せた。同年全日本選手権は96kg級で北京五輪出場を目指したが、かなわなかった。08年に全日本選手権84kg級で初優勝。09年はアジア選手権と世界選手権に出場した。10年のアジア選手権で銀メダル獲得した。185cm。

 







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