【全日本選手権最終日】注目選手の声
■男子グレコローマン66kg級・笹本睦（ＡＬＳＯＫ＝五輪４度連続出場ならず）「残念でした。僕が弱かっただけです。これが最後という気持ちで臨んだ大会。応援してくれた会社の皆さんたちに申し訳ないです。何がなんでもロンドン五輪に出場してメダルを獲るという気持ちで臨んでいなかった部分もあって、試合に出てしまったのかもしれない。失礼な言い方かもしれまんせんが、対戦相手が強かったとかではなく、自分が弱かった。ずっとレスリングを続けてきて、オリンピックも経験しましたけれども、自分としては、強い選手と闘って、負けて悔しいからレスリングを続けてこられた。その過程でオリンピックに出場できたと思っている。今までやってきたことに悔いはない。去年くらいからモチベーションを維持し続けるのが難しくなってきた。今後は指導者としてレスリングに貢献していき、リオデジャネイロ五輪には携わりたい。グレコローマンの選手にメダルを獲らせてあげたい」
■男子フリースタイル60kg級・湯元健一（２回戦で小田裕之に敗れ、五輪代表決定はお預け）「（敗因は）タックルを返されたこと。これが実力です。調子はよかったし、いつもどおりやった。仕掛けるのが遅かった。次は小田にしっかり勝ちたい。（五輪への重圧は）確かにありました。簡単に勝てないので、年末からしっかりやり直したい。この負けを前向きにとらえています。んー、悔しい。でも、最後に五輪に行くのは、僕なんで。（バックは取ったが、なぜ得意のアンクルにいけなかったのか？）２点取られてから、腕取りから、反対に飛行機にいって、いつもならそんなことしなかった。やはり、あわてた。僕の失敗というか、実力です」（左写真＝赤が湯元、青が小田）
■男子フリースタイル60kg級・小田裕之（国士舘クラブ＝昨年のアジア大会銀メダリスト。２回戦で世界選手権３位の湯元健一を破るも準々決勝で前田翔吾に敗退）「「（湯元戦の勝利について）自分は１試合こなしていて、健一先輩は初戦。組み合わせが決まって健一先輩に勝つためには、これが一番チャンスがあるかなと思っていた。思い通りの試合というわけではなかったけど、第２ピリオドでポイントが取れたのが大きかった。健一先輩とは試合がかみあったが、前田選手は健一先輩と違ってよく動いて崩してくるタイプ。苦手意識があった。今日は完全に力負けです。健一先輩に勝っても優勝しなければ意味がない。オリンピックには行けないんで…。（３月のトライアルの出場権はあるが）これから３連勝するのは難しいし、春の五輪選考トーナメントの出場権があっても、もうやらないです」
■男子フリースタイル60kg級・高塚紀行（自衛隊＝準決勝で石田智嗣に全ピリオドクリンチで１－２で敗退）「タックルがあと半歩足りなかった。自分の中では攻めたつもりだが、攻めた後のあと一つが足りなかった。全ピリオドクリンチで、第３ピリオド、タックルで両足を取ったけど、そこで自分で休んでしまった。（３位と五輪出場権の横取りに出遅れたが）まだチャンスはある。自分の中では、動きのバランスがよくなったり、ミスが減ったり、前の雑なレスリングから、すごく変わってきている。まだ、諦めていないので、３月（五輪代表選考トーナメント）まで全力でやってそれで、結果を出していきたい」
■男子フリースタイル74㎏級・高橋龍太（自衛隊＝今年の世界選手権代表ながら初戦の２回戦で66㎏級から上がってきた転向した小島豪臣に敗れる）「ウォーミングアップをいつも以上にやって、動けることは動けました。それ以上に小島選手が強かったです。世界選手権ではけっこうばてたので、体力面を強化したんですけど、今日はタックルで思うように取れず、その前に止められてしまいました。長島和幸選手が出場できなかったので、彼の分もがんばろうと思っていたのに申し訳ない気持ちです。これで（ロンドン五輪の出場は）完全になくなりました。もう思い残すことはありません。レスリングは終わりです。これからはいち自衛官として国を守りたいと思います」
■女子55kg級・村田夏南子（ＪＯＣレスリングアカデミー／東京・安部学院高＝決勝で世界女王の吉田沙保里に善戦。タックルを決めるなど第１ピリオドは２－２＝ビッグポイントの差で落とす）「ロンドン五輪を目指していたので悔しいです。（接戦だったが？）前回の対戦もそうでしたが、圧倒的に負けたと思います。（作戦は？）離れると相手のペースになってしまうので、くっついてレスリングをしようとしました。もっとくっつきたかったです。（タックルが決まったが？）タックルは入ることだけでなく、そこから返す練習もしていて、今日は返せなかったことが悔しいです。ロンドン五輪には出られなかったけど、次のオリンピックに出られるよう、来年からの４年間をがんばりたいです」
■女子63kg級 山本聖子（スポーツビズ）「正直言って悔しいです。（ロンドン五輪出場が絶望的になって）今すぐに結論出すつもりはないです。落ち着いてから、自分の考えを決めたいと思います。ロンドン五輪を目指してここまでやってきたのですが、レスリングをやっていてすごく楽しい。この気持ちを大事にしていきたいと思っています」
■会見に同席した姉・美憂「聖子、お疲れ様でした。妹は復帰を決めてから１日も手を抜かずに、よくここまでやってきたと思います。二人でこんなに長くレスリングをやっているのに、一度も２人で海外遠征や国際大会に出場したことがないので、いつか２人で出場したいと思っています」
■女子72kg級・井上佳子（クリナップ＝67kg級世界３位。72kg級に挑むも浜口京子に敗れる）「先にポイントを取れたのですが、レフェリーの方から、『次はコーションを取る』という注意を受けて気持ちが焦ってしまいました。（銅メダルを獲得した）世界選手権には67kg級に出場しましたが、オリンピックに出場するためには72kg級しかないので、世界選手権のあと、天皇杯ではこの階級で出場することを決めていました。体を大きくする努力もしてきました。１階級上に臨むことで、力負けしたくないためにウエートトレーニングもいつもより増やしました。浜口選手はがぶりがうまいので、タックルにいくことは、考えていませんでした。浜口選手は大きい舞台を何度も経験しているので、試合運びがうまいですね」
