日本レスリング協会公式サイト
JAPAN WRESTLING FEDERATION
日本レスリング協会公式サイト
2012.11.13

【全日本大学選手権・特集】吉田沙保里らとの練習の中から実力アップの秘訣をマスター…60kg級・鴨居正和(山梨学院大)

(文=樋口郁夫)

 全日本大学選手権の60kg級は、進学後の2シーズンで新人戦を含めてもまだ「優勝」がなかった鴨居正和(山梨学院大2年)が制した。

 鴨居は「激戦の階級ですので、正直言って優勝できるとは思っていなかったんです」と、優勝が信じられないような表情で第一声。一昨年王者の鈴木康寛(拓大)、昨年王者で全日本選抜王者の池田智(日大)、学生王者を押さえて出場した日体大代表などが顔をそろえる中、鴨居の実績はワンランク落ちるので、そう思うのも無理はないだろう。

 前日に決まった組み合わせは、順調に勝ち上がれば2回戦で池田、3回戦で鈴木という“死の組み合わせ”。そこで、先を考えずに目の前の闘いに集中し、一戦一戦を全力ファイト。優勝を勝ち取ってみると、「最初のうちに強い選手と当たった方がよかったのかもしれません。決勝で当たることになったら、気持ちが続かなかったかも」と振り返る。過酷な組み合わせも、マイナスばかりではない。

■“シルバーコレクター”を返上する進学後の初優勝

 今年の山梨学院大の軽量級は、インターハイ3連覇を達成した高橋侑希の加入で、例年以上に燃えていた。スーパールーキーの加入は、技術面で高められること以上に、気持ちの面で刺激になる。さらに、大会の1週間前から全日本チャンピオンの前田翔吾選手が練習に参加してくれ、これが大きかった。「ボコボコにされましたけど、この1週間の練習があったから勝てたのだと思います。ほかの大学に負けないだけの練習をやってきました。その成果だと思います」。練習の量と質には自信を持っての大会出場だった。

 「シルバーコレクター」とさえ言われた進学後の成績だった。今年のJOC杯など、決勝まで進むことはあっても最後で勝てず、新人戦の優勝にも手が届かなかった。「去年のこの大会も(決勝で負けた)。本当に悔しい思いをしてきました」。今回の優勝で、ひと皮むけた鴨居が誕生するか。

決勝で闘う鴨居(青)

 これまでチャンピオンのなかった鴨居だが、ロンドン五輪へ向けてのオリンピック報道の中で、時たまスポーツ新聞の紙面に名前が載っていた。女子の五輪代表選手の強化の一環として、練習相手として全日本合宿に派遣され、吉田沙保里らとの“ガチンコ・スパーリング”の相手だったからで、時に記者からコメントを求められることもあった。

 その記事の主役は、あくまでも女子選手。「優勝して注目される方がいいですよね」と笑う。一方で、女子の練習に参加して得るものも多かった。「スパーリングで息を上げたあと、そこからさらに追い込む練習をやっていました。世界のトップ選手はこうなんだ、だから体力もあって強いんだ、と学びました」。そのやり方を自身の練習に取り入れたのは言うまでもない。

 この階級の全日本レベルは、五輪2大会連続代表の湯元健一(ALSOK)が抜けた場合、前田翔吾とベテランの高塚紀行(自衛隊)が飛び抜けている以外は、若い選手が横一線の状態。鴨居は「今回の優勝をばねに頑張りたい。でも、まだ2年生ですから、多くの経験を積む時期。この優勝は置いておいて、焦らずにやっていきたい」と言う。

 結果にこだわって小さく固まってしまっては、将来がないことは十分に知っている。長い目で真の実力を養成し、世界にはばたいてもらいたい。

 







JWF WRESTLERS DATABASE 日本レスリング協会 選手&大会データベース

年別ニュース一覧

サイト内検索


【報道】取材申請について
-------------

● 間違いはご指摘ください
本ホームページ上に掲載されている記録や人名に誤りがある場合は、遠慮なくご指摘ください。調査のうえ善処いたします。 記録は、一度間違うと、後世まで間違ったまま伝わります。正確な記録を残すためにも、ご協力ください。


アスリートの盗撮、写真・動画の悪用、悪質なSNSの投稿は卑劣な行為です。
BIG、totoのご購入はこちら

SPORTS PHARMACIST

JADA HOMEPAGE

フェアプレイで日本を元気に