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2012.11.26

【全国中学選抜選手権・特集】長年のライバル破って3年連続二冠を制覇…女子48kg級・加賀田葵夏(ゴールドキッズ)

(文=樋口郁夫)

 第3回を迎えた東京都知事杯全国中学選抜選手権は、大会前、東京・ゴールドキッズ所属で保育園の幼なじみでもある成國大志(男子59kg級)と加賀田葵夏(かがた・きか=女子48kg級)の3連覇、しかも全国中学生選手権との3年連続二冠達成なるかどうかが話題となる大会となった。成國は階級アップの壁を破れずに無念の2位となったが、44kg級全国チャンピオンの加賀田は48kg級で見事に優勝。後世まで残る偉業を達成した(右写真)

 加賀田は「優勝できてホッとしました」と第一声。3年連続二冠制覇のプレッシャーはあったが、「優勝したかったので、1試合ずつ確実に」という気持ちがまさり、動きにまで影響することはなかたという。

■強豪相手がゆえに、先制されても焦ることなし

 準決勝までは3試合連続フォール勝ちという快勝続き。「先制されることが多いのですが、今回は自分から攻めることができました」と振り返る。決勝は小学生時代からライバル関係が続いている谷山菜緒(大阪・エンジョイ)との対戦。第1ピリオド、1点を先制されて苦しい展開となった。

 しかし、これまで何度も闘っている相手であり、今年だけでもこの日が3度目の対戦。「強いのは分かっている」と、1点を先制されたのもやむをえないという気持ちがあり、その気持ちがゆえに焦ることはなかった。「取り返せばいい」と冷静に試合を進め、終了間際に1点を返し、1-1ながらラストポイントで奪取。

 第2ピリオドは0-0のあと、やはり終了間際にバックを取って1-0。一歩間違えれば不覚を喫したような内容だが、「確実に1点を取る」という気持ちを忘れることなく闘えたことが最後のポイントにつながったと分析する。「焦ってしまうと、いつも使わない技や無理な技を使ってかえって取れないことが多かった。自分が使っている技を使おうと、崩しを使って自分のタイミングを狙っていた」と言う。

決勝の第2ピリオド、終了間際に貴重な1点を獲得

 8月には、世界カデット選手権(アゼルバイジャン)に出場して優勝している。“世界一”になったことで自信がつく一方、「(国内では)負けられないというプレッシャーにもなったんですよ」と苦笑いする。この時の階級が46kg級で、44kg級から48kg級へ上げるにあたり、ちょうどいい時期にちょうどいい階級で実戦を積めたことも大きかったのかもしれない。

■来年は「女子初のインターハイ1年生チャンピオン」!

 谷山には昨年の全日本女子オープン選手権で負けているが、今年に入っての3試合で3連勝と完全リベンジ。中学時代にもう一人負けたことのある河内美樹(大阪・堺リベラル=2011年ジュニアクイーンズカップで黒星)にも、直後のJOC杯と先月の全日本女子オープン選手権で2連勝。高校生相手の黒星を除けば、負けっぱなしの選手をつくることなく卒業できることになった。それでも、「これで終わりではありません」と気を引き締めた。

 卒業後は東京・文化学園大杉並高校へ進み、引き続きゴールドキッズで練習を積む予定だが、奇しくも来年の長崎インターハイから公開競技とはいえ女子が実施されることが決まっている。すなわち、ここでも「大会初の女子1年生チャンピオン」「大会初の女子インターハイ3連覇」といった偉業に挑む条件がそろったわけで、これほどいい巡り合わせの下で金字塔に挑める選手も珍しい。

 「オリンピックが見えた?」という問いには、「まだ強い選手はたくさんいます。その人達に勝つようになったら、見えてくるんじゃないかな、と思います」。記録づくめの逸材には、最後まで謙虚に今後の展望を話した。

 







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