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2013.04.01

【ジュニアクイーンズカップ・特集】村田夏南子を撃破! 55kg級に新星誕生…川井梨紗子(至学館大)

(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)

55kg級への階級変更は間違っていなかった! ジュニアクイーンズカップのジュニア55kg級は、昨年のこの大会51kg級3位で、9月の世界女子選手権(カナダ)51kg級代表の川井梨紗子(愛知・至学館大)が、階級アップ2度目となる“全日本レベル”の舞台で見事に優勝を遂げた。

 決勝の相手は、JOCアカデミー出身で昨年12月の全日本選手権で初優勝を遂げた村田夏南子(日大)。吉田沙保里に迫る選手として期待されていた若手成長株だ。

 両者は昨年12月の全日本選手権の準決勝でも対峙し、川井が第1ピリオドを先取。第2ピリオドも開始1分で5-0とリードを奪って村田を追い詰めた。だが、「弱気になってしまった」と攻撃の気持ちがにぶり、そこから村田の足技にかかってまさかのフォール負け。大量リードしながら大逆転劇を食らってしまっていた。

■オリンピック出場を目標に階級アップを敢行!

 周囲は川井に2つの注文を出した。「気持ちが弱すぎる」。そして「まだ55kg級に挑戦するのは早すぎたんだ」-。

階級アップは、栄和人監督からも「51kg級で世界チャンピオンになってから」と提案されていた。しかし、自分の考えを貫いて出場した結果だった。初出場で7位に終わった世界選手権の直後は、当面51kg級に参戦する意志があったが、「減量が7kgほどあったし、オリンピックは55kg級でしか出られないのだから、早く(体作りのためにも)階級を変えたほうがいいと思った」と、階級アップを決意した。

 川井の決意は固く、栄監督や世界選手権の出場経験がある母・初江さんが説得しても「55kg級でもうやっていく」の一点張りだった。

 その固い決意は吉と出たようだ。川井が照準を定めていた2020年五輪にレスリングが採用されない可能性が出てきたからだ。川井は「2016年の次を狙えるぞ、と言われていたのですが、リオの次を待つ場合ではなくなった」と、五輪挑戦プランを大幅に修正。結果的に12月から階級をアップしたことは、2016年を本気で狙うには、“プラス”と働いたのだ。

■徹底したビデオ研究で打倒・村田を果たす

 今回は“災い転じて福となす”ということがもう一つあった。川井は2週間前に右ひじのじん帯を損傷し、最終調整を思うように行えなかった。「負担をかけないように階級下の選手とばかり練習していたので、村田選手に勝つことは無理だなと思っていた」と焦りを感じていたが、練習時間を割けない分、ビデオ研究をしっかり行ってきたことが功を奏した。

「沙保里さんと村田選手のビデオを見て、沙保里さんがタックルを決めた技や、村田さんと浜田(千穂=日体大)さんの試合で浜田さんが小手を振っていたので、自分もやってみようと思った」。村田の弱点を洗い出し、そこを果敢に攻めた作戦がぴたっとはまった。

 序盤から片足タックルを積極的に出して、何度も村田の足を取り、村田が差してくると、小手を振ってグラウンドに持ち込んだ。川井は終始攻勢をとって村田を追い詰めていった。第3ピリオドはボールピックアップにもつれたが、攻撃権を取られても慌てず、村田がタックルを持ち上げようとしたところで、足をかけてつぶして3点。全日本選手権の借りを返すとともに、世界ジュニア選手権(8月、ブルガリア)の代表に大きく前進した。

 優勝を決めた瞬間は、「一番先に優勝を伝えたかった」と、観客席から終始声援を送っていた初江さんに向かって右手を突き上げてガッツポーズ。全日本女王を倒した川井は、「次の目標は6月の全日本選抜選手権です。吉田選手との勝負、頑張ります!」と五輪3連覇の真の女王との対決に気合を入れた。

 







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