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2014.08.07

【インターハイ・特集】吉田栄勝さんの遺伝子、インターハイでも輝く…女子52kg級・奥野春菜(三重・久居)

(文=樋口郁夫、撮影=保高幸子)

 インターハイ女子52kg級は、昨年の中学二冠(全国中学生選手権、全国中学生選抜選手権)を制し、日本協会の制定する中学生の年間最優秀選手に輝いた奥野春菜(三重・久居)が3試合にフォール、またはテクニカルフォール勝ちして優勝。3月に急逝された恩師、吉田栄勝さんの天国からの期待にこたえ、1年生にして高校初タイトルを獲得した。

 3試合とも無失点の圧勝優勝だった。「自分は守る選手ではないので、タックルで積極的に攻めていこうと思った」ことが失点を許さずに勝ち抜いた要因のようだが、「余裕は全然なかった」。高校生の祭典インターハイでの試合は緊張感が違った様子。

 決勝は第1ピリオド、相手をニアフォールに追い込み、そのままフォールへいくかと思われたが、逃げられてしまうなど、圧勝の中にも悔しさなどもあったようだ。

 幼少の頃から吉田さんが代表を務めた一志ジュニア教室でレスリングを続けてきた。目標とする選手は、言うまでもなくクラブの大先輩の吉田沙保里(現ALSOK)。2004年アテネ・オリンピックで吉田が金メダルを取った時の記憶は鮮明ではないようだが、沙保里を目標に厳しい練習に耐えてきた。

 タックルを主武器としているのは、当然のことながら沙保里の影響。沙保里にタックルを教えた吉田さんから、「基本が大事」として嫌になるほど反復練習をさせられた結晶でもある。吉田さんは「厳しい中にも、あたたかさがあった。やっていることを、きちんと見ていくださる方でした」とこと。1年生チャンピオンに輝いた姿を、微笑みながら見ていることだろう。

 ただ、目標とする選手は吉田だけではない。同じオリンピック3連覇の伊調馨(現ALSOK)は言うまでもなく、2008年北京オリンピックで銀メダルを取った松永共広(現日本協会専任コーチ)の名を挙げ、「守りも強く、フェイントを使って相手の攻撃をかわす技術がうまい。目標にしています」と話す。強豪のいいところを吸収し、独自のスタイルをつくっていく腹積もりだ。

 2011年の全国中学生選手権では、3回戦で首からマットに落ち、救急車で病院に運ばれるアクシデントに見舞われた。1年間もマットを離れることになり、復帰の見込み時期を尋ねる父・竜司さんが医師から怒られたことも。

 そんな苦難を乗り越え、焦らずにけがを完治させての中学二冠制覇、そして1年生インターハイ・チャンピオン。この先には2020年東京オリンピックがあることは言うまでもないが、「今やるべきことを、ひとつずつやっていけばいい」と、ここでも焦らず、一歩一歩実力をつけていく予定だ。


 







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