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2014.09.05

【特集】カウンター攻撃に加えて攻撃レスリングを展開できるか…男子フリースタイル61kg級・鴨居正和(山梨学院大)

(文=増渕由気子)

鴨居正和(山梨学院大)

 オリンピック中間年の今年は、世界選手権のほかにアジア大会が開催される。今回は両大会とも9月にあるため、日本協会は男子に関しては両大会のメンバーを完全に分ける決断を下し、国内2番手の選手がどちらかの大会に出場できることになった。フリースタイルは両大会の15選手中(注=アジア大会は7階級にしか出場できないため)、4人が現役大学選手という布陣。若手にチャンスが広がった代表選出となった。

 6月の全日本選抜選手権で2位となり、男子フリースタイル61kg級の代表に選ばれた鴨居正和(山梨学院大)もその一人。「大きなけがもなく、調子は悪くはない」と謙そんしながらも、順調さをアピールした。

■昨年の学生二冠王者、今年は世界に挑戦!

 昨年は8月の全日本学生選手権で初優勝を飾り、11月の全日本大学選手権ではV2を飾って学生二冠王者へ。学生界で無敵の強さを誇った。このまま全日本の舞台でも活躍するかと思われたが、蜂窩織炎(ほうかしきえん=ばい菌が入って炎症が起こる病気の一種)にかかって1週間の入院を余儀なくされ、12月の全日本選手権は欠場した。

 全日本選手権は翌年の世界選手権代表選考を兼ねており、欠場することは痛手だ。鴨居は「今年は2番手でも代表になれる可能性があると聞いていましたが、全日本選手権に出られなかったこともあり、ナショナルチーム入りすることは考えないようにしていた」と、病気で出遅れたことから代表選考は他人事のようにとらえていた。

 だが、中学、高校、大学と常にチャンピオンの座についてきた鴨居のセンスは、そのハンディをしのぐものだった。全日本選抜選手権では「目の前の試合だけに集中して」という姿勢で臨み2位に。優勝した高塚紀行(自衛隊)がアジア大会代表を希望したため、鴨居に世界選手権の出場権が回ってきた。

 「初めてナショナルチームの代表として合宿に呼ばれて…。代表になったことを自覚しないといけないです」と、夏のポーランド遠征などで日本代表の自覚を高めていった。コーチから「試合に出る時、知らない選手がいないように」というアドバイスを受け、海外選手のビデオ研究などにも力をいれた。

■目標のスタイルはジョーダン・バローズ(米国)

 鴨居の得意技はカウンター攻撃だ。ボクシングで言うアウトボクシングで、少し下がり気味に相手を誘い込んでから攻撃に移るタイミングは一流もの。香川・香川中央高校時代の恩師の沖山功監督は「相手との絶妙な間合いを制する能力は中学時代にすでに完成していた」と話すように、天性の能力と言えよう。

 だが、レスリングには“アウトレスリング・スタイル”というものは存在せず、下がっているとコーションなど何かしらの注意を受ける可能性が高い。鴨居も「自分から攻めないといけないと思っています。高田先生(裕司=山梨学院大監督)からは、ジョーダン・バローズ(ロンドン。オリンピック男子フリースタイル74kg級優勝ほか)のような、ひざをついてのフェイントとか、飛び込むタックルを参考にしろ、と指導されました」と、攻撃スタイルの確立を目指している。

 この攻撃レスリングを実戦で使うことができれば、得意のカウンター攻撃と組み合わせて、攻めてよし、受けてよしと試合展開が非常に楽になる。初出場ながら上位進出も夢ではない。鴨居は先月末の全日本学生選手権で2連覇がかかっていたが、世界選手権のために欠場した。

 その分も世界選手権で暴れたいところ。「相手に合わせず、自分のレスリングを貫き通して悔いのない試合にしたい」と、世界初挑戦に向けて決意を新たにした。


 







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