《関連記事》2014年10月22日:砂川航祐(千葉・柏日体高教)がレスリング・コーチとしてスーダン共和国へ
現地の強豪選手とヌバ・レスリングで闘う砂川航祐選手 |
昨年11月、国際交流基金文化協力主催事業の一環としてアフリカのスーダン共和国でレスリングの指導を行った千葉・柏日体高教員の砂川航祐選手が2月1日、成田空港発のカタール航空で2度目のスーダンへ向かった。首都ハルツームで約1ヶ月間、オリンピック・レスリングの指導を行う。
11月と今月の2度に分けてスーダンへ向かったのは、スーダン側の要望。まず基礎を受け、2ヶ月間の練習期間を経て、再度指導を仰ぎたいためらしい。砂川選手は「最初はどういうところかも分からず、練習は砂の上にマットをしいて行うなど初めての経験続き。今回は、そうしたことをふまえての渡航なので、少しは安心です。この2ヶ月間でレスリングの技術をどの程度吸収してくれているか楽しみな部分があります」と話すとともに、「今回で(指導を)きちんと仕上げなければならないという不安と焦りもあります」と話す。
スーダンでは、「ヌバ・レスリング」というビーチ・レスリングのようなレスリングが盛んだが、オリンピックのレスリングは「認知すらされていないようだ」(砂川談)とのこと。したがってオリンピック・レスリングの技術は素人同然。
しかし、「黒人特有のバネや筋力といった体力はしっかりしており、ポテンシャルは日本選手より高いのでは」という感想。シューズをはいてのマットの上での練習も、「練習していくうちに慣れていったような気がする」と言う。
砂漠気候に属するスーダンの11月の平均気温は28度。エアコン付きの体育館はないため、練習はもっぱら日が暮れて涼しくなってから野外でやっていたそうだ。
ヌバ・レスリングが盛んだといっても、学校教育としてやっているのではなく、村単位、町単位で相撲が盛んに行われていたかつての日本のような状況。オリンピック・レスリングで世界を目指すレベルにまで発展できるかどうかは、「選手の問題というより、国と協会の姿勢でしょう。国単位で取り組まないとならないと思います」と言う。
イスラム教の国であるため、酒類は厳禁。しかし「酒は飲まなくても大丈夫です」とのこと。食事も、さすがに和食はないものの、外国人向けのレストランがあるそうで、約1ヶ月間のホテル住まいも苦にならないようだ。期間中にはNHKが取材に訪れる予定という。
元気に「行ってきまーす」と言って旅立った。