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2015.08.17

【特集】2015年世界選手権へかける(12)…女子69kg級・土性沙羅(至学館大)

男子フリースタイル 57kg 61kg 65kg 70kg 74kg 86kg 97kg 125kg
男子グレコローマン 59kg 66kg 71kg 75kg 80kg 85kg 98kg 130kg
 女   子  48kg 53kg 55kg 58kg 60kg 63kg 69kg 75kg

《土性沙羅・略歴》《土性沙羅・国際大会成績》《女子69kg級展望》《勝者の素顔》
《オリンピック&世界選手権・歴代優勝選手と日本選手成績=女子》


(文=渋谷淳)

 女子69kg級の土性沙羅(至学館大)が、“3度目の正直”となる世界選手権(9月7~12日、米国・ラスベガス)を迎える。18歳で初出場した2013年大会(ハンガリー)は67kg級で3位。69kg級で出場した昨年は銀メダルなのだから、今年は「優勝しかない」とだれもが考えるところだろう。

 本人も「優勝するという気持ちはこれまでと変わらないけど、今回はオリンピックがかかっている。絶対に負けられないという気持ちはこれまで以上に強い」と必勝を誓う。

■連続メダル獲得も、悔しい思い出しかない過去2度の世界選手権

 過去2度の世界選手権は悔しい思い出しかない。初出場の時は準決勝で欧州チャンピオンのアリナ・スタドニク(ウクライナ)相手に3-0とリードしながら、逆転のフォール負け。3位決定戦でフォール勝ちを収めたが、「うれしくないですし、納得していない」と口にし、カメラマンに笑顔を求められても、レンズの前でその表情を崩すことはなかった。

 昨年はさらに悔しい銀メダルだった。準決勝までの4試合で、ロンドン・オリンピック女王のナタリア・ボロベワ(ロシア)を含めて世界一の経験を持つ選手を3人も撃破し、アリン・フォケン(ドイツ)との決勝を迎えた。

 前年の3位決定戦でフォール勝ちした相手であり、大いに期待が持たれたが、第1ピリオドに左足甲を負傷するアクシデントに見舞われた。これは試合後の表彰式を欠席するほどの痛みだったが、土性は「辛い」という素振りすら見せずに果敢に闘った。

 タックルでポイントを奪い、一時はリードしたものの、残り時間わずかのところで逆転されて万事休す。トーナメントを通しての試合内容や、けがを負いながらの決勝での奮闘は大いに評価されるものだったが、土性は「金メダル以外は1回戦負けと思っている」と悔しさをあらわにしたものだった。

■気迫でもぎとった3度目の世界選手権キップ

 実は、世界選手権出場を決めた6月の全日本選抜選手権でも試練を味わった。工藤佳代子(自衛隊)との決勝で、左肩を亜脱きゅうしてしまった。「流れで(肩が)外れて、そのまま攻めてはまった」とのことだが、この時、世界選手権決勝で敗れた経験が生かされた。

 「ラストで金メダルを逃した悔しさは忘れていない。たとえけがをしても、最後まで攻め続ける気持ちで闘おうと思った」。もつれにもつれた試合は、4-4のまま時間だけが経過する。土性はこのまま終わると内容負けという逆境の中、残り30秒でポイントを挙げて逆転勝ち。気迫でもぎ取った3度目の世界選手権だった。

 けがの治療をしつつ、昨年までの悔しさをばねに、この1年は外国人対策に取り組んできた。69kg級で身長159cmは十分にハンディと言えるだろう。これを克服するためには、スタミナとパワーの強化が必須だ。

 朝練習での走り込みに力を入れ、ロープ登りやウエートトレーニングで外国人選手に負けない体作りに取り組んだ。食事面でも筋肉量を増やすためにたんぱく質を意識して摂取。まだ成長途上の20歳は、世界との距離を確実に縮めている。

■75kg級でも通用した強豪、周風(中国)以上の“敵”とは?

 マークする選手を問われると、「みんな強いですが」と前置きした上で、今年のアジア選手権優勝の周風(中国=21歳)の名前を挙げた。昨年のアジア大会(韓国)では75kg級に出場し、浜口京子や2012年ロンドン・オリンピック3位のグゼル・マニュロバ(カザフスタン)を破って優勝した選手。1階級上でも通じる実力を持っている。

 だが、最大のポイントは、闘う相手よりも「まだ痛みがある」という肩の回復具合だろうか。いずれにしても、多少のけがは乗り越えてしまうたくましさが今の土性にはある。オリンピックへのパスポートは何が何でも手に入れるつもりだ。


 《関連記事》

■2015年6月20日: 【明治杯全日本選抜選手権第2日・特集】優勝選手・プレーオフ勝者の声

■2014年9月11日: 【世界選手権第3日・特集(インタビュー)】女子69kg級・土性沙羅(至学館大)

■2014年4月26日: 【アジア選手権第3日・特集】優勝選手談話…女子69kg級・土性沙羅(至学館大)

■2013年12月31日: 【全日本選手権・特集】世界選手権V逸の悔しさをばねに飛躍…女子67kg級・土性沙羅(至学館大)

■2013年9月21日: 【世界選手権・特集】女子67kg級・土性沙羅(至学館大)

■2013年8月29日: 【特集】世界選手権へかける(9)…女子67kg級・土性沙羅(至学館大)

■2011年4月4日: 【特集】日本女子重量級のニューフェース、土性沙羅(愛知・至学館高)


 







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