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2015.08.21

【特集】2015年世界選手権へかける(13)…男子グレコローマン130kg級・園田新(拓大)

男子フリースタイル 57kg 61kg 65kg 70kg 74kg 86kg 97kg 125kg
男子グレコローマン 59kg 66kg 71kg 75kg 80kg 85kg 98kg 130kg
 女   子  48kg 53kg 55kg 58kg 60kg 63kg 69kg 75kg

《園田新・略歴》《園田新・国際大会成績》《男子グレコローマン130kg級展望》《勝者の素顔》
《オリンピック&世界選手権・歴代優勝選手と日本選手成績=男子グレコローマン》


(文=増渕由気子)

園田新(拓大)

 21歳の若者が日本重量級の歴史を変えられるか―。世界選手権(9月7~12日、米国・ラスベガス)の男子グレコローマン130kg級は、昨年に続いて園田新(拓大)が出場する。2度目の晴れ舞台。昨年の大会は初戦敗退ながら、元フリースタイルの世界チャンピオン、バイリャル・マホフ(ロシア)をあわやフォールという状態まで追い込む健闘だった。

 大会まで1ヶ月を切った時点で大きなけがもなく、準備を進めている。大学3年ながら国内には敵なし。学生タイトルを獲っても、「海外を見据えている」と満足せず、同階級の第一人者である自覚を持って練習を積んできた。

■重量級だけのハンガリー遠征で、さらなる飛躍を目指す

 「調子は悪くないですが…」と切り出した園田の顔は少しうつむき加減だった。その理由は、世界選手権代表メンバーによる7月中旬のポーランド遠征で出場した「ピトラシンスキ国際大会」で2戦2敗に終わったことが大きかった。

昨年の世界選手権でロシアの元世界王者をフォール寸前に追い込んだ園田=撮影・保高幸子

 「マルチサポートのトレーナー、角一(哲児)さんの筋力アップのトレーニングには、ついていけるようになったんですが、その成果をレスリング面で出し切れませんでした。試合でも鼻血が出たことをアピールして試合を止めてしまって、相手を休ませてしまった。ぬぐってすぐ闘えばよかったです」と、妥協してしまった部分を悔やんだ。残り1ヶ月は「ポーランドの反省を直すことが目標です」ときっぱり話した。 

 8月9日からは、85kg級代表の岡太一(自衛隊)と98kg級代表の米平安寛(三恵海運)との3選手でハンガリーへ向かい、合宿を行っている。重量級3選手はいずれも若手で、経験を積むことが大事な選手ばかり。

 今夏2度目の欧州合宿で力を伸ばせることに、園田は「このような環境を作ってくれる強化委員に感謝したい。結果を残さないと、環境を作ってくれている先生たちも報われない。自信をつけ直し、結果を残せるように、しっかりと追い込みをしてきます」と抱負を話した。

 最後の追い込み方法に関しては。「ベストの方法を見いだせていないです」と模索中だ。その理由は、130kg級ならではの独特の悩みにあった。

 レスリングは減量を伴うことが一般的だが、園田はグレコローマンで唯一増量が必要な選手。「最終調整は体重を落としていく他の選手と全く違います」と、他階級の選手の調整方法は参考にならない。「6月の全日本選抜選手権では、試合3日前までは追い込んだ練習をしていて調子がよかった」と、今回も試合直前まで通常練習で迎える予定だ。

■1日1升の米を吸収、増量の努力!

 自身の体格を考慮し、体重は常時125kgキープを心掛けている。練習後には数kg単位で落ちてしまうため、食事もトレーニングの一環だ。「1日5食が基本です」。特に気をつけなければならないのが海外遠征中。今回のハンガリー遠征では、練習と食事両面で細心の注意を払って体調管理を行う。

“食事トレーニング”に励む園田

 「お米が大好きで、1日1升食べています。料理も好きです。食費はかかりますが、自分の体に使うことを惜しんではいけないので、しっかりと食べています」。

 【ある日のメニュー】

《朝練習前》バナナ一本
《朝食》白飯二合、味噌汁、おかず
《朝ごはん後》白飯二合(卵かけごはんなど)
《昼食》白飯二合(お茶漬け、もしくは学食)
《15時ごろ》バナナ、牛乳、白飯二合のいずれかを体重を見て摂取
《夕飯》白飯三合、おかず、味噌汁、納豆、豆腐など
《就寝前》体重不足時は、バナナ3本と牛乳1リットルをミキサーに混ぜたバナナジュース

 全日本合宿時には、拓大OBでグレコローマン最重量級で活躍した元全日本王者の鈴木克彰氏(警視庁)による“食事トレーニング講座”も行われている。練習後に鈴木氏の実家、東京・王子の居酒屋「やまに」で食べまくり、1回の食事で7kg増量することも。トレーニングと食事で一日が終わりそうなハードな日々。

 「おやつで息抜きはあるのか?」と尋ねると、「実は甘いものが嫌い。アンコとか駄目です(笑)。しかも、常にお腹いっぱいなんでお菓子食べる余裕はないです」と、食トレのハードさをうかがわせた。

 初出場で国際経験の少なかった昨年の世界選手権に比べると、今年1年間は冬のハンガリー遠征、5月のアジア選手権(カタール)、前述のポーランド遠征と国際大会での経験を積んでいる。食トレの相乗効果で、昨年よりひと回りほど成長した姿を見せてもらいたいところだ。


 《関連記事》

■2014年9月26日: 【全日本大学グレコローマン選手権・特集】「今のボクの敵は世界です」…130kg級・園田新(拓大)

■2014年9月14日: 【世界選手権第6日・特集(インタビュー)】男子グレコローマン130kg級・園田新(拓大)

■2013年8月23日: 【全日本学生選手権・特集】1年生王者の快挙にも、出てくる言葉は反省の弁…男子グレコローマン120kg級・園田新(拓大)

■2012年3月30日: 【全国高校選抜大会・特集】重量級のホープ園田新(滋賀・日野)「今年こそ五冠王狙う!」

■2011年8月19日: 【全国高校生グレコローマン選手権特集】“天敵”相手に、必殺のそり投げがさく裂!…120kg級・園田新(滋賀・日野)


 







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