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2016.08.05

【インターハイ/女子個人戦・特集】中村未優(埼玉・埼玉栄)が同門対決を制して初優勝

(文・撮影=増渕由気子)

 埼玉栄、初物づくしの優勝だ-。インターハイの女子46kg級は、中村未優(埼玉・埼玉栄)が決勝で同門の1年生、吉元玲美那を7−2で下して初優勝を飾った。女子がインターハイに公開競技として採用されて4年目、埼玉栄の女子選手としては初の優勝選手となった。

 埼玉栄と言えば、昨年の夏、2014年ユース・オリンピック金メダリストの山崎弥十朗(現早大)を擁して学校対抗戦で初優勝を飾るなど、1年を通して高校レスリング界を席巻した。そのフィーバーぶりを、1年後輩の中村は複雑な気持ちで見ていた。「1年生の時、インターハイで2位になったんですが、去年はけがで出られなくて…。男子が団体優勝をして頑張っていたのに、自分は悔しい思いをしました」。

 京都インターハイは、埼玉栄にとって部の歴史に刻まれる大会となったが、中村自身にとっては、ほろ苦さも重なっていた。

 だからこそ、3年生で迎えた最後の夏にかけ、「絶対、インターハイの金メダルを獲るんだ」と気合を入れて臨んだ。決勝は吉元との同門対決で、「吉元はどんどん強くなってきていたので、覚悟はしていました」と振り返る。手の内を知り尽くしているため、第1ピリオドは様子を見て1−0で折り返すと、第2ピリオドからギアチェンジ。投げ技で4点を奪って5−0とし、試合を優位に進めた。

 先輩の山崎弥十朗とは出身クラブも同じ。野口篤史監督は「未優は、弥十朗と同じピュアブレッドの出身。去年の山崎の活躍が今回の奮起につながりました」と振り返る。野口監督自身も「今年は学校対抗戦に出られなかったので、モチベーションを下げないためにも女子で優勝者を出すことを目標にしてきました。学校対抗戦で優勝したチームから、女子の優勝者が出るのは初めてでしょう? 男女をバランスよく強化することは、指導コンセプトの一つ。それが達成できて、今回のインターハイは満足です」と笑顔で話した。

 高校最後の夏を有終Vで飾った中村だが、最終目標は東京オリンピックを見据えており、今回46kg級で優勝しても、シニアに目を向ければ、一つ年下で全日本選抜チャンピオンになった須崎優衣(東京・安部学院/JOCエリートアカデミー)の存在が気になるところ。

 「優衣ちゃんを倒せば、自分も日本のトップ選手になれると思うし、世界でも通用すると思う。常に意識しています」。打倒須崎を掲げて、「タックル強化だけでなく、がぶりや組み手など、今はあまりできていないことも練習していきたい」と、高校チャンピオンに甘んじず、進化することを誓った。

 一方、1年生で準優勝だった吉元は「決勝進出を目標にしていたので、それが達成できてうれしかった」と振り返った。決勝戦では同門の先輩相手に終盤、バックポイントを奪って反撃のチャンスはあったが、スタミナ切れで返せなかった。「6月の関東高校大会の決勝も中村先輩との対戦で、その時も2−7と同スコアで負けました。でも内容は今回の方がよかったかな。来年は優勝したいです」と力強く宣言した。


 







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