2016.08.29

【新刊紹介】「”最強”の結果を生み出す『負けない心』の作り方」（著・栄和人）

　2012年ロンドン・オリンピックまでに、のべ７人のオリンピック金メダリストを育成。今回のリオデジャネイロ・オリンピックでは、全６階級で教え子を代表に送り込み、金メダル４個、銀メダル１個を取らせた至学館大の栄和人監督が、その指導哲学をまとめた「"最強"の結果を生み出す『負けない心』の作り方」を出版した。

　次々とチャンピオンを生み出した、その秘密は？　栄監督は、指導者に不可欠なこととして、

■選手一人一人について、強くなるために何が必要かが見えていること。
■具体的な言葉で励ましながら、「勝つこと」の意識づけをすること。
■自分のやり方に固執せず、変化・進化し続けていくこと。

を挙げている。

　名伯楽には、ともすると「オレについて来い」の姿勢があったり、自身の指導に固執して時代の変化を受け入れないケースがある。それが当たりまえで、通用してきた時代だったことは確かだ。栄監督は、時代の流れと選手の意識の変化を感じ取り、それを受け入れることによって、現代にマッチした指導を行ってきた。それがゆえに、多くのチャンピオンを輩出できたと言えよう。

　外国のある指導者は、「どの国も、男子のレスリングを女子に教えている。栄監督は女子のレスリングを教えている。だから成功した」と話した。

　自身の経験に固執せず、新しいものを取り入れ、女性特有の心理をつかみとって意識づけを行い、指導者として前人未踏の金字塔を達成した、その指導方針が満載されている。