世界ジュニア選手権（フランス）出場の男子フリースタイル・チームが出発
８月30日からフランス・マコンで始まった世界ジュニア選手権に出場する男子フリースタイル・チームが８月30日、羽田空港発の日本航空で出発した。
昨年は66kg級の藤波勇飛（山梨学院大）が決勝で惜敗（３－３の内容差）して２位だった大会。その藤波が今年こそ世界一に挑戦する形となったが、父でもある藤波俊一監督（三重・いなべ総合学園高）は「今年こそは優勝を望む。本人と話したが、自信はあるようだ。要注意は、出てくるかどうか分からないがアーロン・ピコ（米国＝昨年３位）。去年の決勝の相手には勝てる」と自信を見せる。
フランスへ向かった男子フリースタイル・チーム
チームには、2014年ユース・オリンピック王者の山崎弥十朗（74kg級＝早大）、2013年世界カデット王者の松井稜（岐阜・中京高）ら国際舞台での実績十分の選手もいる。「頑張ってくれると思う」と、チーム全体の好成績を期待した。
小幡邦彦コーチ（山梨学院大職）は「去年が銀１個で、それ以上の成績が目標。去年の大会やアジア・ジュニア選手権などを経験している選手もいて、世界の闘い方を知っている選手が多い。勝ちにこだわることを伝えた」と言う。
多くの選手が28日まで大阪で行われていた全日本学生選手権に出場していた。ハードスケジュールだが、「自分も学生時代にこうしたタフなスケジュールを経験している。こうした中から精神的な強さが身につき、レベルが上がっていくと思う。いい経験になる」と、ハードスケジュールを乗り越える強さを求めた。
昨年の銀を金に変えたい藤波勇飛は「去年は２位だったので、今年は優勝しかない。去年で手ごたえは十分に感じた。最後まで攻めれば勝てると思う」ときっぱり。昨年から今年の間に、オリンピック予選に出場するなどシニアの国際舞台でも経験を積んだ。実力がアップしているのは間違いないが、その分、「外国の選手に研究もされ始めていると思う。その中でも勝てるようにしたい」と気を引き締めた。
昨年はチームメートだった樋口黎の快挙には刺激されている。「（オリンピックの）決勝は勝ってもおかしくない試合。（自分の）気持ちは上がっているし、追いつきたい。まずは、ここで金メダルを取って少しでも近づきたい」と言う。
全日本学生選手権直後の遠征については、「疲れがないといえば、うそになる。でも、最近試合がなかったので、試合勘を取り戻すという点でよかった。強豪に勝っての優勝で自信もつき、いい気持ちで行けるので、出てよかった」と話した。
2014年のユース・オリンピック王者の山崎弥十朗は「去年はアメリカの選手相手に１回戦で敗れた。今年は優勝を目指すが、まずは入賞を目標に臨みたい」と控えめな弁。オリンピックを見て、「外国選手の強さを感じたので、日本人らしい謙虚な気持ちで臨みます。行ける、となってから優勝を目指します」と言う。
全日本学生選手権で１年生王者に輝き、「気分はすごくいい。疲れはあっても気持ちはよく、いいコンディションで臨める」と、気持ちは藤波と同じ。「（藤波に）追いつきたいし、学びたいことも多い」と、学生王者として臨む先輩に続く構えだ。
《大会日程》
８月30日（火） 男子グレコローマン50・60・74・96kg級
31日（水） 男子グレコローマン55・66・84・120kg級
９月１日（木） 女子44・51・59・67kg級
２日（金） 女子48・55・63・72kg級
３日（土） 男子フリースタイル50・60・74・96kg級
４日（日） 男子フリースタイル55・66・84・120kg級
◎男子フリースタイル
【監督】藤波俊一（三重・いなべ総合学園高教）、【同コーチ】小幡邦彦（山梨学院大職）
【選手】
▼50kg級 松井 稜（岐阜・中京高）
▼55kg級 田代拓海（福岡大）
▼60kg級 吉村拓海（早大）
▼66kg級 藤波勇飛（山梨学院大）
▼74kg級 山﨑弥十朗（早大）
▼84kg級 内藤由良（国士舘大）
▼96kg級 石黒峻士（日本大）
▼120kg級 宮原将裕（大東文化大）
