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2016.10.26

男子グレコローマンの全日本チームが合宿スタート

 新強化体制となってから初の男子グレコローマンの全日本合宿が10月25日、東京・味の素トレーニングセンターでスタート。松本慎吾・同強化委員長(日体大監督)が初めて全日本合宿の指揮を執った。

■「強化委員会がひとつになっていく意気込みを感じた」…栄和人・強化本部長

 練習前には3スタイルの強化委員ほぼ全員が集まり、今後の強化体制・方針を話し合うミーティングが行われた。栄和人・強化本部長は「3スタイルの強化委員から積極的な意見が出て、東京オリンピックへ向けて強化委員会がひとつになっていこうとする意気込みを感じた」と話し、有意義なミーティングだったと振り返った。

 同本部長は男子グレコローマンの練習にも顔を出し、「松本委員長と豊田ヘッドコーチ(雅俊=警視庁)を中心に、東京オリンピックへ向けてチームが一丸となってほしい」とあいさつ。全階級でオリンピックに出場するためには重量級の奮起なくしてはありえないが、「甘えを断って、メダルを取るつもりで頑張ってほしい。厳しい練習についていけなければ引退、の気持ちでやってほしい」と激励した。

西口茂樹・強化副本部長は「(2015年世界選手権でメダルがなく)消えかかった日本のグレコローマンだが、太田忍(ALSOK)が銀メダルを取って、もう一度闘えるところまで来た。東京オリンピックでは6階級で出場し、ぜひ金メダルを取ってほしい。グレコローマンが日本のレスリングを引っ張る、という気概を持ってやってほしい」と伝えた。

 松本委員長は「北京オリンピックのあと指導者になって8年。培ってきたものをすべて出したい」と、豊田ヘッドコーチは「もう4年はない。最終予選のスタートまで3年であり、実質2年半が勝負」と、それぞれ新体制初めのあいさつをした。

■オリンピックまでの3年間で世界王者をつくる…松本慎吾委員長

 強化委員長としての“デビュー戦”を終えた松本委員長は「日体大でコーチ、監督、全日本でもコーチとしてやってきて、数多くのことを学んだ。こうした方がよかったかな、ということを含め、自分の経験を基に強化していきたい。自分を信じてスタッフに加わってくれた強化委員と同じ方向を目指し、頑張っていきたい」と今後の抱負。

リオデジャネイロ・オリンピックでは太田のセコンドについて試合を見守った。「本当の力を持っていなければ、オリンピックの舞台では金メダルを取ることができないことを、目の前で感じさせられた。オリンピックまでの3度の世界選手権で金メダルを取らせることができなければ、東京での金メダルはない。本当に力のある選手を育て、どんな状況でも自信をもって闘い、金メダルを取れるよう鍛えていきたい」と意気込みを話した。

 シニアのルールが変わったものの、学生でやっていたルールに変わっただけなので、指導についての戸惑いはなし。「日本選手の誇れることは体力(スタミナ)なのに、去年の世界選手権では体力負けをしていたのが現状。スタミナをつけるトレーニングを課すことによってオリンピックで結果が出た。もう一段、二段上げて、どんな状況でも最後までばてることなく闘える体力を養わせたい」と話した。

■新コーチとして鶴巻宰、清水博之両コーチが参加

 新たに加わった強化委員としては、自衛隊から鶴巻宰コーチと清水博之コーチが参加した。ともに自衛隊では9月から指導に回っており、今月の岩手国体で選手生活に区切りをつけて後進の育成にあたる。

鶴巻コーチは「(大勢の選手の)どこが弱点かを見ながらやらないとならないので、選手をやっている方が楽だったな、という気持ち。ただ、難しい分、やりがいを感じます」と言う。

 自身は19歳でアジア選手権に出場し、アジア大会で2度銀メダルを取ったものの、オリンピックには出場できなかった。「自分が見ることのできなかった世界を後輩に経験させてやりたい」と話すとともに、自衛隊選手のオリンピック出場が途切れたことは悔しい限りで、「情けなかった。次は絶対に出場させたい」と燃えていた。

 清水コーチは「選手時代の合宿参加と違うので緊張しました。コーチになってから日が浅いので、手探り状態でやっています」と言う。指導者は選手を圧倒すればいいだけではないが、「まだ体が動くので、動くうちは全力でやりたい。選手に負けないようにやることが、選手のためになると思う」と、しばらくは選手と“真剣勝負”することで選手の実力アップに貢献する腹積もりだ。

■井上智裕に続き、銀メダリストの太田忍も始動

オリンピック組のうち、66kg級の井上智裕(三恵海運)は9月初めの学生の合宿にも参加し、岩手国体71kg級に出場して優勝するなど早々と動いたが、59kg級の太田も休養期間を終えて今回の合宿に参加した。練習の量はオリンピック前ほどはいっていないが、質ではかなりのものをやっているという。

 メダリストには、テレビ出演の話が続くのが普通で、太田にもかなりのオファーが来ている。しかし、最近はほとんどを断り始めたという。「練習できなくなりますから」。12月の全日本選手権への出場を決めており、もう戦闘モード。「豊田コーチが言っていたように、4年ではなく、2年半。そこまでにチャンピオンになれるかどうかで、東京オリンピックで金メダルを取れるかどうかが決まる」と前を向いている。

 ただ、前日の練習で胸骨を痛めたため、この日は筋力トレーニングが中心だった。「新体制は雰囲気がいい。この体制下で4年間をやれば、絶対にチャンピオンが生まれる、と思うような練習でした」と話した。

 合宿は28日まで行われる。

グレコローマンに転向し、東京オリンピックを目指す松本篤史(ALSOK)も参加

3年連続学生二冠王者(屋比久翔平=日体大)に現役さながらの表情で挑む清水博之・新コーチ(自衛隊)


 







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