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2016.12.08

【西日本学生秋季リーグ戦・特集】初めての降格の悔しさを乗り越えて二部優勝…九州共立大

(文・撮影=増渕由気子)

 西日本学生リーグ戦の二部リーグは、春季に一部リーグ最下位となって二部に転落した九州共立大が優勝し、一部に返り咲いた。同リーグは一部の最下位と二部の1位が自動的に入れ替わるため、安泰の二文字はなく目まぐるしく勢力図が変わる。

 九州共立大は2013年に創部5年目で悲願の二部リーグ初優勝を決めて一部リーグに昇格。以後、勢いは増し、2014年の春には優勝決定戦まで進むなど、一部の常連校としてすっかり定着していた。

 しかし、今年の春季は2008年北京オリンピック銅メダリストの湯元健一を総合コーチに迎えた日本文理大に敗れて最下位に転落。7季ぶりに二部に戻ってきた。

 藤山慎平監督は「春はけが人が3人もいて、負けるべくして負けた。初めての一部降格を味わいました」と半年前を振り返った。藤山監督自らの手で一部に押し上げたにもかかわらず、一部3年目の降格に「落ち込みました」とショックは計り知れなかった。

 けが以外の戦力ダウンの要因を、藤山監督は「部員が増えすぎて指導し切れなかった」と分析した。チームが大所帯になって活気づいたように見えた部分もあったが、まんべんなく指導しきれなかった己を責めた。「練習内容も『このくらいでいいかな』とやっていたような気がする。このくらいでいいわけがないでしょ。オレが満足した練習でないと」。

 入れ替わりの激しい西日本リーグで安定的に活躍したことで、監督やチーム全体にいつの間にか“おごり”が生まれてしまった。「今回はそれをとっぱらって、しっかりやってきた」と、ゼロからやり直してきたそうだ。

■試合出場はなかったが、代谷悠人主将がチームを引っ張った

 現メンバーは二部の時代を知らない選手ばかり。一部昇格の苦労を覚えている藤山監督は「二部だからといって甘くはない」と選手を叱咤し、自他ともに気を引き締めて臨んだ。その結果が二部リーグ全勝につながった。

 二部リーグ最優秀選手賞に与えられる小田原杯は代谷悠人主将が受賞した。実は、代谷は試合には出ていない控え選手。けれども藤山監督は「悠人は本当に頑張った。とてもまじめで、チームをよく引っ張ってくれた」とねぎらった。

 代谷主将は「二部落ちは主将として責任を感じていました。それまでは、自分のことで精いっぱいで、キャプテンとして自信を持ってやっていなかったです。自分はグレコローマンが専門ですし、主将だけど結果も残していないので(部員たちに)何も言えませんでした」と、フリースタイルのリーグ戦に向けて部員たちを引っ張り切れなかったことを吐露した。

 落ち込む代谷主将を奮い立たせたのは卒業した先輩たちからの激励だった。「後輩たちは代谷がまじめにやってきたのを知っている。主将として自信を持ってやれ」―。それから約半年間、フリースタイルの部員たちにも積極的に声をかけるなどしてチームを引っ張った。

「今回が僕にとって最後のリーグ戦。しっかりと優勝して、後輩がまた一部で闘える環境を作って引退したい」という代谷主将の夢は現実になった。無事、優勝を果たし、「やり切りました。九州共立大でレスリングをやれてよかった」と完全燃焼を果たした様子だった。


 







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