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「ヤリギン国際大会」(ロシア)出場の女子チームが金メダル4個とともに帰国

 ロシア・クラスノヤルスクで行われた「ヤリギン国際大会」に出場した女子チームが1月30日、成田空港に帰国した。昨年は伊調馨選手が歴史的な敗北を喫するなど、5階級で決勝へ進みながら1階級しか優勝できなかったこの大会。今年は17歳の2人を含めて4階級を制する好成績を残した。

 吉村祥子監督(エステティックTBC)は「17歳の選手や初遠征の選手などがいて、シニアの国際舞台で闘うにはまだと思えるチームとも思え、期待の一方で不安もあった。終わってみると、実力を出し切り、いい成績を出せたことにホッとし、うれしくも思う」と気持ちよさそう。

 60kg級の坂上嘉津季(ALSOK)と63kg級の伊藤彩香(東新住建)の国際舞台での実績のある選手が「いい緊張感といいリラックスをつくってくれた」とのことで、これが若い選手が力を発揮できた要因だという。

 ただ、リオデジャネイロ・オリンピックの代表はいてもメダリストはいなかったので、「この成績がそのまま世界で通用するものではない。モンゴルを含めて新しい選手も出ていた。外国の層は厚くなっている」と警戒感も忘れない。

 さらに、「今回の若手選手が世代交代を実現できるとも言い切れない。学生選手も刺激され、頑張るでしょう」と話し、社会人選手、学生選手、ジュニア選手で壮絶な闘いが展開されることを予想している。それは、女子レスリング全体のレベルアップにつながる。「ベテランから若手までが競っていけばいい」と話した。

 チームのキャプテンを務めた坂上は、2014年ワールドカップ(東京)で全勝し、団体優勝に貢献したことはあるが、個人の国際大会では初の優勝。ひざの負傷もあって、ここ1~2年は鳴かず飛ばずの成績だった。そのトンネルを抜けた栄冠だった。

 「正直言ってうれしい。けがして、もう元には戻れないと思ったりもしました。リハビリでいろんな人と会って、いろんな経験をしました」と、けがとの闘いをエネルギーにしての復活優勝。昨年12月の全日本選手権優勝も“復活劇”ではあったが、「今回1回戦で負けてしまったら、全日本の優勝は意味がないと思っていました」と言う。

冨田和秀コーチ(左=自衛隊)、吉村祥子監督(エステティックTBC)と選手

これまでは、外国選手の最初の攻撃に耐えられず、追い上げても追いつけないことが多かったので、開始直後の失点を押さえることに力を入れたことと、対戦相手をビデオでしっかり研究し、「戦略をたてて闘うことができたのが勝因です」と言う。けがとの闘いの日々を振り返り、「あれほど辛いと思える日はなかったです」と感慨無量の様子だった。

 17歳で優勝した48kg級の須崎優衣と55kg級の南條早映(ともにJOCエリートアカデミー/東京・安部学院高)は2月中旬に「クリッパン女子国際大会」(スウェーデン)に出場し、欧州の強豪に挑む予定。


 ■48kg級優勝・須崎優衣(JOCエリートアカデミー/東京・安部学院高)「片足タックルでポイントを取り切ること、がぶってからポイントにつなげること、グラウンドでポイントを取ることなど課題もたくさん見つかったので、次のクリッパン国際大会までに克服し、そこでも優勝できるよう頑張りたい。(ロシアのオリンピック代表は破ったが)オリンピックのメダリストが出場していたら、もっと厳しい闘いになったと思うので気を引き締めたい。今回は自分を知らない選手ばかりだったと思います。研究されてくると思うので、一歩先のレスリングをして、研究されても勝つようにしたい」

 ■53kg級優勝・向田真優(至学館大)「2年前は決勝で負けて、すごく悔しい思いをした。今回は優勝できて、とてもうれしいです。1回戦から緊張することなく、思い切っていくことができたのが(全試合を通じて)無失点につながったと思います。初日優勝した選手や、伊藤(彩香)先輩の試合終了数秒前の逆転勝ちなどにパワーをもらい、最後まであきらめずに闘う気持ちになりました。反省点はありますので、それを克服したい」

 ■55kg級・南條早映(JOCエリートアカデミー/東京・安部学院高)「初めてのシニアの国際大会で、ドキドキする気持ちとわくわくする気持ちが半分ずつでした。全日本選手権の時に『強い気持ちで闘う』と決め、それができて優勝につながったので、今回も相手がだれであろうが最後まで強い気持ちで闘い切ることが目標でした。技術的には、足首に入るローシングルによく入れましたが、入り方や、入ったあとの処理が未完成。課題になります。オリンピック選手が出ていないので、これで世界で通じるとは思っていません」

 ■58kg級3位・花井瑛絵(愛知・至学館高)「シニア初の国際大会ということで、最初は『選んでいただいたのに1回戦で負けてしまったらどうしよう』という気持ちでした。至学館の先輩や同い年の選手に支えられ、試合が近づくにつれてそうした気持ちがなくなっていき、力を出し切ろうと思えました。準決勝で(自分が)テクニカルフォールで負けた相手が、決勝でテクニカルフォール負けです。1位の選手との差はすごく大きいことを知りました。(国内で川井梨紗子という高い壁があるが)世界一強い選手と毎日練習できるのは最高の環境です」

 ■63kg級3位・伊藤彩香(東新住建)「準決勝の負け方(テクニカルフォール)がよくなかった。ローリングを連続で決められまして、強化しなければならないところです。(オリンピック58kg級モンゴル代表の)強い選手だということは分かっていましたけど、もう少しいい試合をしたかった。3位決定戦も(勝ったものの)一時0-8とされました。一気にポイントを取られるところを克服しないとなりません。(国際大会7大会連続メダル獲得だが)オリンピックや世界選手権が入っていないし、今回優勝できていないので、何とも思いません」




 

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