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2017.04.25

【JOC杯・特集】高校生の猛追を振り切って念願のタイトル獲得!…男子フリースタイル66kg級・志賀晃次郎(拓大)

(文=増渕由気子)

 大学生の意地で念願の世界遠征を勝ち取った! JOC杯ジュニアの部・男子フリースタイル66kg級は、大学1年の志賀晃次郎(拓大)が初優勝を遂げた。

 準決勝、決勝と高校生が相手で、準決勝では3月の全国高校選抜大会王者の安楽龍馬(山梨・韮崎工高)に、決勝では昨年の国体王者の基山仁太郎(三重・いなべ総合学園高)にいずれも辛勝。高校生の勢いに苦しめられたが、「僕は大学生。勝たないといけないと思った」と意地があったと言う。

 特に決勝の相手の基山は「去年の岩手国体の決勝でラスト数秒で逆転負けした相手。(今回は)最後逃げてしまったけれども」と反省は残りつつも、タックルを中心に攻めて、しっかりリベンジしてみせた。

■オリンピック選手を多く輩出している拓大へ進学

 京都・京都八幡高出身。高校時代は全国高校選抜大会の学校対抗戦で優勝した経歴があり、個人戦ではインターハイ、国体ともに2位と常に高校トップの実力を持っていた。「もっと強くなりたい。オリンピック選手もたくさん出ている大学だから」と拓大へ進学。3月上旬に入寮し、「浅井翼先輩など京都八幡の先輩がたくさんいて、すぐになじめました」と、大学生活には慣れてきた。

 大学に入学して刺激的だったのは、オリンピック2大会連続出場で元世界2位の高谷惣亮(ALSOK)の存在だ。同じ京都出身だが、これまではあまり接点がなく、日々の練習を間近で見ることは初めてだった。

 「スパーリングから走り込みまで、すべてレベルが違う。常に自分を追い込んでいて、自分より2階級上なのにものすごいスピードもある。一緒に練習して学ぶところがたくさんあります」。“世界”を身近に感じることができる最高の環境を手に入れて、高谷をお手本にする日々を送っている。

 今大会、京都八幡高の出身選手でエントリーしたのは志賀を含めて4人いたが、志賀以外の選手は、けがなどでみんな欠場してしまった。「出場したのは僕だけだったので、優勝して浅井(努)監督にいい報告をするんだ」という気持ちが大きかったそうだ。

 恩師である京都八幡の浅井努監督は、昨年の国体が終わった後、脳梗塞に見舞われ、数ヶ月間、学校を休職していた(現在は復帰)。「本当に急な出来事で、僕たちもびっくりしました。新人戦の前に3年生だけでお見舞いに行った時、『自分が指導できないから、(新人戦で1、2年生を勝たせるように)しっかりとめんどうを見てくれ』と言われました」。

 その言葉を胸に、志賀は高校の部活動を引退しても毎日練習に顔を出し、自分の練習に加えて田中亜里沙コーチの右腕となって後輩の指導にも力を注いだ。チームが一丸となったことで、浅井監督が不在ながら近畿予選を勝ち抜いて3月の全国高校選抜大会にいつも通り出場することもできた。

■計量時に高校の恩師からメッセージが届いた

 志賀が浅井監督と再会したのは卒業式の時。志賀ら3年生の門出を祝って送り出してくれた。そんな恩師から今大会の計量時に「優勝できるぞ」というメッセージが届いた。「先生から個人的に激励メッセージが届いたのは初めのことでした。これで頑張ろうという気持ちが沸いてきました」。

 高校時代、決勝を勝ち切れなかった“万年2位の晃次郎”の面影はなく、苦戦しても最後は勝つという勝負強さを見せた。浅井監督からのメッセージが志賀の特効薬となった格好だが、志賀の優勝は浅井監督の一番の回復薬となることだろう。

 優勝したことで、自身初となる世界への遠征も手に入れた。「高校で学んだローシングルタックルに加えて、大学で学んだことをプラスして国際大会で活躍したい」と、この夏の世界ジュニア選手権での活躍を誓った。


 







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