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2017.05.16

【特集】史上5大学目の5連覇を目指す山梨学院大、盤石の中量級で偉業達成へ


(文・撮影=樋口郁夫)

 5月17日(水)~19日(金)に東京・駒沢体育館で行われる東日本学生リーグ戦。昨年1敗を喫しながらも4連覇を達成した山梨学院大が、過去4大学(日体大、早大、明大、中大)しか達成していない5連覇へ挑む。

 昨年のチームから抜けたポイントゲッターは最重量級のみ。しかし、カザフスタンから新たな“守護神”が参入し、引き続き頼もしいトリが控える。全勝で5連覇を達成し、「一強時代」を確実なものにすることができるか。

■全日本トップクラスがそろう中量級

 昨年の山梨学院大は、2・3年生が中心のメンバーでの4年連続優勝だった。この春卒業した強豪は125kg級のオレッグ・ボルチン(現ブシロード)のみ。今年は下記の布陣が予想され、昨年とほとんど変わらない(成績は昨年の成績)。

▼57kg級 小栁和也(4年=山梨・韮崎工高卒)=全日本大学選手権3位、全日本選手権3位
▼61kg級 松宮大樹(4年=茨城・霞ヶ浦高卒)=全日本大学選手権5位
▼65kg級 乙黒圭祐(3年=東京・帝京高卒)=国体3位、全日本選手権3位
▼70kg級 藤波勇飛(3年=三重・いなべ総合学園高卒)=学生二冠王
▼74kg級 木下貴輪(4年=鹿児島・鹿屋中央高卒)=全日本大学選手権優勝
▼86kg級 牛水瑞貴(3年=鹿児島・鹿屋中央高卒)=全日本選抜選手権5位
▼125kg級 アルメンタイ・バグダウレット(1年=カザフスタン・アスタナ高卒)=アジア選手権97kg級3位

 高田裕司監督は「安心はしていない。(昨年負けた)早大は今年も強いし、日体大は軽量級にいい選手がいる。(予選グループで闘う)青山学院大も3階級で強い選手がいる」と話し、油断しないよう気を引き締めるが、「去年の戦力がほとんど残っているのは強み」と自信を見せる。

 山梨学院大相手に3勝を計算できる大学はあっても、4勝となると厳しいのが現実。中量級を乙黒圭祐、藤波勇飛、木下貴輪と全日本トップクラスの実力者で固め、最重量級はアジアでトップレベルの留学生-。

 57kg級の小栁和也も、昨年の全日本大学選手権では日体大のレギュラー選手を破り、同大学の上位進出を阻んで山梨学院大の優勝に貢献した実力者。全日本選手権は3位に入賞した。小栁を含めた5階級のうち、2階級そろって落とす可能性は極めて低いと言えよう。

■「選手を信じて送り出したい」と小幡邦彦コーチ

 小幡邦彦コーチも「普通の階級での闘いなら、どこが相手でも負けないと思う」と自信を見せる。ただ、リーグ戦は、登録した階級の1階級下から2階級上まで計量できるとともに、計量をパスした階級の2階級上まで出場できる規定があり、実力が競っているチーム同士の場合は、先発メンバーの読み合いの部分が大きく左右する。

 “普通の階級での闘い”にならない場合があるわけで、ここにリーグ戦で勝つ難しさがあり、周囲から見れば面白さがある。

 小幡コーチは「乙黒は70kg級まで使える。木下と藤波は86kg級でも勝てる」と三者の実力に太鼓判を押し、相手の戦力に合わせて階級を変えることを示唆するが、それが裏目に出てしまう場合もあるのがリーグ戦。確実に勝ちにいくため、相手チームの穴と思われたところに強豪を起用したところ、相手のエースがその階級に出てきて“ガチンコ勝負”へ、といったことが起こりうる。

 また、以前のシステムなら闘う相手が決まっていたが、現在のシステムは予選リーグを終わらないと決勝リーグでの対戦チームが分からない。どのチームも同じ条件だが、的を絞れないだけに、以前以上の難しさがある。

 それでも、2年連続で団体戦2大会を制覇したチームの自信は揺るぎない。小幡コーチは、先発メンバーの読み合いや初日終了後に決戦の相手が決まるシステムを「リーグ戦の醍醐味ですよね」とさらり。「選手を信じて送り出したい」と言う。125kg級に、いかなる駆け引きも使う必要がないアルメンタイ・バグダウレットが控えているのも、大きな強みだろう。

 「しいて不安材料があるとすれば?」との問いには、しばし回答に窮し、「けがしないことです。だれかがポカをしても、カバーできるだけの戦力だと思っています」と話す。

■「先輩達が続けてくれた連覇。自分たちの代で途切れさせたくない」…木下貴輪主将

 チームを率いる74kg級の木下貴輪主将は「先輩達が続けてくれた連覇。自分たちの代で途切れさせたくない。去年は1敗しての優勝。いくら優勝しても、負けた時は悔しかった。今年は全勝で優勝します」と決意を話した。

 どの選手も優勝を目指し、率先して練習しているそうで、主将としての重荷はなし。「自分がみんなに助けられています」と苦笑いし、自身の出る試合については「負ける気はしません」ときっぱり。自身を含めた中量3階級での全勝に自信を見せる。

 ■65kg級:乙黒圭祐「5連覇を目指して全力を尽くします。最初の2階級も勝ってくれると思っています。それを引き継いで、中量級で勝負を決めたい。もし追う展開になっていたとしても、自分が勝って流れを変えます。(ゴールデンウイークの)自衛隊での合宿ではロシアの選手ともやり、きつかったけど自信につながる練習ができた。いいコンディションで臨めると思います」

 ■70kg級:藤波勇飛「去年はオリンピック予選から帰ってすぐにリーグ戦がありました。今年はリーグ戦に絞って調整してきたので、仕上がりはいいです。リーグ戦は独特のムードがあるので、正直、緊張していますが、どの階級に起用されても勝つつもりです。5連覇を目指すチームにいることに感謝の気持ちでいっぱいです。(70kg級がオリンピック階級になる可能性が出てきて)気持ちのうえですごい追い風になっています」

 ■125kg級:アルメンタイ・バグダウレット「カザフスタンとは違う日本の練習に、ちょっと驚きました。カザフスタンでは1日4本もスパーリングはしません。でも、この練習で強くなると信じています。(カザフスタンに団体戦はないが)リーグ戦が重要な大会ということは聞いています。呼んでいただいた高田監督の期待にこたえるため、全力を尽くします」

 ゴールデンウイークは自衛隊で合宿し、社会人選手とも数多くの練習をこなした。自衛隊で直前合宿をするようになってから優勝が続いたという縁起のよさもさることながら、「社会人の全日本トップ選手との練習は最高に鍛えられる」(高田監督)、「いつもの練習相手と違う選手とやるのは、実力アップに役立っている」(木下主将)と、学生の枠を超えた練習によって実力養成してきた。その成果を、全勝優勝という形で示すことができるか。

 1977年にリーグ戦初出場した山梨学院大にとって、今年は40周年という節目の年(リーグ戦出場は41回目)。昨年、つまづきながらの優勝だった“屈辱”をはね返し、記念イヤーをきれいに飾ることができるか。

最後のリーグ戦を迎える4年生選手

新たな守護神、 アルメンタイ・バグダウレット(1年)


 







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