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アジア選手権出場の男子フリースタイル・チームが帰国

 アジア選手権に出場した男子フリースタイル・チームが5月16日、成田空港着の日本航空で帰国した。

 大会スケジュールの関係で男子グレコローマンや女子チームより遅れてインドに到着した同チームは、予定されていた5つ星ホテルが満室となって入れない“アクシデント”に遭遇。徒歩10分のバックパッカーが泊まるような宿舎に案内されて2日間をすごしたという。にもかかわらず、奇しくもニューデリーで行われた2010年大会以来の金メダルを獲得しての帰国となった。

 井上謙二・男子フリースタイル強化委員長(自衛隊)は「(金メダルを取れて)よかったけど、実力を出し切れば順位をもっと上げることのできた選手もいた」と無念そう。期待された樋口黎(日体大)が9点リードから逆転フォール負けを喫したことを挙げ、「最後まで気を抜いてはならないことを痛感したと思う」と厳しく話した。

 樋口については、「足首のけがの影響もあったかもしれないが、いつもよりタックルの入り方が鈍かった」と振り返り、技術と戦術は十分にあるが、体力的に「61kg級としてはまだ足りない」と分析した。脂肪量が多いため、脂肪を筋肉に変えて早く61kg級の体になってくれることを望んだ。

 金メダルを取った57kg級の高橋侑希(ALSOK)については、「調整の時から動きがよく、気持ちも入っていた」と万全なコンディションをつくったことを評価。インドは貧富の差が激しく、バスの車窓から見える光景には目を覆いたくなるようなシーンもあったというが、「そうした光景を見て、『レスリングができるありがたさを感じる』と口にしていた。そんな気持ちがプラスに出たのだと思う」と話し、気持ちの高揚が大きな勝因だったと分析した。

 高橋は試合でバッティングを受け、顔にいくつもの痣(あざ)をつくっての帰国。「終始自分のペースでできた。試合前から調子はよかったが、井上強化委員長から『調子のいい時ほど(気持ちを)締めろ』と言われ、引き締めたのが優勝につながったと思う」と振り返った。

 技術的には、「1試合に最低ひとつのタックルを決める、という目標が達成できた」とのこと。「たまたま勝った、とは思われたくない。明治杯でしっかり勝ち切り、世界選手権へつなげたい」と話した。

 このあとは、6月16日(金)~18日(日)の明治杯全日本選抜選手権(東京・代々木競技場第2体育館)へ向けて各所属で練習し、世界選手権の代表が決まったあとは東京・味の素トレーニングセンターのほか、長野・菅平、岐阜・濁河(にごりご)温泉など国内で徹底的に鍛えるという。


 ■61kg級3位・樋口黎(日体大)「負けている時に冷静に闘って取り返す課題は達成できましたが、リードしている時の守りの弱さが出ました。反省し、克服したい。(北朝鮮は14-5から、タックルに入られて逆転フォール負け)安全策を取っておくべきたったけれど…。デフェンスの課題や、勝っている時の試合の運び方など、いい勉強になりました。右足首のけがは、7、8割は回復していますが、踏ん張った時の痛みがありました。選抜までには何とかします。パワーもつけて、守りを強化します」

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 ■65kg級3位・鴨居正和(自衛隊)「情けない試合。組み合わせがよくて取れた銅メダルなので、気持ちの中ではまったく価値を見出してません。準決勝の韓国戦に勝って決勝に行かなければならなかった。最初から浮足立って自滅し、点差を広げられた。もっと落ち着いて闘わないとならない。強い選手に勝って表彰台に昇りたかった。このままでは明治杯で勝てない。今回の課題をしっかり克服して臨みます」

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 ■70kg級3位・中村百次郎(日体大助手)「メダルを取れたのはうれしいのですが、表彰式でメダルをもらって時間が経ち、試合を振り返ると悔しい気持ちが出てきました。準決勝のカザフスタン戦、勝てた試合を落とした。自分のミスで負け、悔やまれる。ただ、今回の経験で大きく成長できたと思う。インドという環境の中でもいいコンディションがつくれたのだから、どの国でも大丈夫だと思う。これから国内の試合で勝ち、世界選手権に出られるように頑張りたい」

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 ■125kg級3位・山本泰輝(拓大)「シニアの国際大会は去年のオリンピック予選2大会だけで、まだ1勝もできていなかった。今回1勝できたのは、進歩かなと思うけど、組み合わせがよくて1勝しかしていない内容での3位。組み合わせがよくての3位ではなく、強豪を破っての3位を目指したい。この1年で、基礎体力がついたことは感じる。去年よりパワーの差がなくなったと思っている。明治杯で勝って、世界選手権を目指す」



 

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