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2017.05.24

【西日本学生春季リーグ戦・特集】同志社大が混戦一部を勝ち抜いて優勝…「3連覇の時よりうれしい」(前田喜代範監督)

(文・撮影=増渕由気子)

 西日本学生春季リーグ戦は、同志社大が3季ぶりの“ミラクル優勝”を遂げた。大会初日、予選リーグの初戦の徳山大戦は4-3で勝ったが、2戦目の福岡大に3-4で痛恨の1敗。優勝戦線から脱落したと思われたが、最終日の九州共立大戦を5-2で勝利。

 福岡大が徳山大に3-4で敗れ、同志社、福岡大、徳山大が2勝1敗で並び、勝利数の差で同志社大の1位通過が決まった。その後の優勝決定戦では近大を4-3で破り、3季ぶり18度目の優勝を決めた。前田喜代範監督は「(2015年秋季の)3連覇の時よりもうれしい」と感無量の様子だった。

■2年前の復活優勝はコーチの力、今大会は学生の力

 3年前、二部落ちなど長らく低迷した状況を立て直すべく、前田監督や三村和人コーチらがスカウトから見直した。強豪チーム出身のタレント選手をスポーツ推薦で迎えて強化をはかった末、昔の輝きを取り戻した。前田監督は「3連覇の時は三村コーチが徹底して指導し、強化に取り組んだが、今回は学生が主体となってチームを作ってきました。常駐の指導者がいたほうが強くなるんだろうけど、これが部活動として理想。よく優勝してくれた」と褒めたたえた。

 春季リーグはどの大学も4年生が就職活動でリーグ戦に集中できない現実がある。前田監督は「うちも4年生がそろうのは日曜日くらい。代わって3年生がしっかりとチームを守ってくれた」と振り返る。特に田辺雄史(埼玉・花咲徳栄高出身)が選手兼コーチのような存在となって引っ張ってくれた。「けがで状態はあまりよくないが、チームの面倒をよく見てくれた」と、“体に鞭を打ちながら”練習に取り組む田辺を評価した。

 昨年は、春秋ともに福岡大に屈してリーグ制覇はならなかった。光永賢弘主将は「去年も優勝できるメンバーがそろっていましたが、(3連覇した)おごりというか、勝つことが当たりまえになってしまったことで、チームがバラバラになっていた」と、チーム力がなかったことを敗因に挙げた。

■1敗を喫しても、優勝を目指して全力を尽くしたチーム

 同志社大の選手は大きく分けて3種類に分けられる。「同志社系列の高校から内部推薦で入ってくる選手、スポーツ推薦で入ってきて大学でも勝ちたい選手。もうひとつは、スポーツ推薦で入ってきたけど、そこまでという気持ちの選手」。

 ちなみに、光永主将は大阪の同志社香里高校からの内部生。内部生もまた、部活の域を超えない程度に頑張りたい選手と、茨城・霞ヶ浦高校や埼玉・花咲徳栄高校などを卒業した全国トップクラスの選手と同僚になれたことをきっかけに飛躍したい選手とに分かれるという。光永主将は「僕は後者で、勝つ世界を見たいと思いました」と、3年間、しっかりと腕を磨いてきた。今大会は大活躍。最優秀選手賞も受賞した。

 「みんな考えていることが違います。それをまとめるのが主将の僕の仕事でした。考えの違う部員たちと何度も話を重ね、『リーグ戦だけはしっかり闘おう』と、みんなが歩み寄るようにしてきた」。

 その光永主将の努力が実った瞬間は、初日、福岡大に黒星を喫して優勝が厳しくなった時だった。「今までだったら、ひとつ負けたら雰囲気が下がっていましたが、初日の夜のミーティングで『九州共立大に大勝したら、まだチャンスが出てくる。まだ諦めず、しっかりやろう』と話し合って、最終日に備えました」。

 最終日、九州共立大を5-2で下すと、福岡大が徳山大に3-4で敗れる結果へ。勝負を投げ出さず、全力で2日間、闘い抜いたことが紙一重のグループ優勝につながった。「僕は1年生からリーグ戦で優勝を経験してきました。前の優勝の時もうれしかったけど、去年が駄目だった分、素直に今回の優勝はうれしいです。来季からリーグ戦のやり方が変わって、一部リーグ総当たり戦になります。もっと練習して、今度は完ぺきに勝てるようにしたいです」。

 タレント力では西日本随一のチームに違いない。チーム力とタレント力の相乗効果で、秋季リーグでの連覇を目指す。


 







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