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【全日本選抜選手権・特集】西日本学生二部リーグから2年連続出場、元世界代表からポイントを奪う健闘…男子グレコローマン98kg級・竹内亮亘(帝塚山大)

(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)

 天皇杯全日本選手権と明治杯全日本選抜選手権-。どちらも国内大会で最高峰の晴れ舞台。出場資格を持った“選ばれし者”だけがエントリーすることができる。「全日本の舞台はレスラーの夢です」と話すのは、西日本学生の二部リーグに所属する帝塚山大の4年生、竹内亮亘だ。

 12月の全日本選手権には3年連続で出場し、今大会は2年連続の出場。西日本学生二部リーグから唯一の参加選手だ。男子グレコローマン98kg級に出場し、初戦で2013年世界選手権代表の前川勝利(HRC)と対戦。テクニカルフォールで初戦敗退の結果だった。

 だが、竹内に悲壮感はなかった。「今回、初めて自分から攻めてテクニカルポイントを取れました。前川選手は2013年の東京国体でTシャツをもらうくらい憧れの選手でした」と、自分の技が全日本の舞台で決まったことに喜びを感じていた。

 今回は推薦枠での出場となった。「出られる大会はすべてチャレンジしていこうと思った」とエントリーしたところ、認められた。石山直樹監督は「全日本選手権に何回も出ているし、アジア・ジュニア選手権にも出ている。そういう点を考慮して総合的に判断していただいたのではないかと思います」と、出場を認めてもらったことに感謝の言葉をつづった。

■岐阜国体出場をきっかけにレスリングにのめりこむ

 帝塚山大は2011年の秋季リーグ戦二部リーグで初優勝を飾り、翌2012年春季は一部リーグで闘ったことがある。現在は二部リーグで、“上位を狙っている中堅大学”というイメージが定着していた。竹内が入学してから徐々に力をつけ、今年5月の春季リーグは3勝1敗の内容差で二部リーグ2位に入る健闘を見せた。

初戦敗退に終わったが、レスリング活動はまだ続く

 竹内の頑張りに加え、石山監督の出身地である岐阜の岐南工高などから強い選手をスカウトし、新戦力の加入が大きかった。それには、竹内の力が大きかった。石山監督は「竹内が帝塚山大で頑張ってくれることで、スカウトなどいろいろな相乗効果が出ている」と話す。

 全日本レベルの試合に竹内が出るたびに「帝塚山大」とコールされ、知名度も上昇。「帝塚山? あぁ、あの竹内がいるところか」と言われるほど、目に見えて大学名が知れ渡ったそうだ。

 竹内がレスリングに没頭したのは、2012年の岐阜国体がきっかけだった。レスリングを始めたのは父親の勧めによるもの。父親からは「高校の時に岐阜国体があるから、頑張れ」とはっぱをかけられていたが、2年後に他界。「約50年に一度の地元国体に出ることは、亡くなった父親との約束であり、家族の夢でした」と、岐阜国体に出場するべく強豪・岐南工高に進んで力をつけた。

 「正直、レスリングを始めた頃は嫌々やっていたのですが、高校の頃から楽しくなってきました。全日本選手権にも出られて楽しいです」。

 今年は大学4年生で、学生最後のシーズンとなる。就職も決まった。いわゆる“プロ選手”ではないが、仕事と両立してできる限り長く“現役”を続ける予定だ。選手として全日本の舞台に出場できたことで、ひとつの達成感は得られているが、竹内にはどうしてもやりたいことが、もうひとつある。「秋の西日本リーグ戦で二部優勝し、来年の一部を確定して3年生にバトンをつなぎたいです」―。

 西日本の革命児、竹内の挑戦はまだまだ続く―。



 

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