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2017.07.04

【全日本社会人選手権・特集】同期に刺激受け、世界トップレベルの2強を追う!…男子グレコローマン59kg級・河名真寿斗(クリナップ=66kg級出場)

(文・撮影=増渕由気子)

 文田健一郎、太田忍の2強に割って入れるか―。全日本社会人選手権の男子グレコローマン66kg級は、先月の全日本選抜選手権59kg級で3位に入った河名真寿斗(クリナップ)が決勝戦で昨年の学生王者の下山田培(警視庁=当時日体大)を7-3で破り、初出場で初優勝を遂げた。

 同級は世界選手権代表となった文田健一郎(日体大)とリオデジャネイロ・オリンピック銀メダルの太田忍(ALSOK)の“2強時代”が到来した感があるが、それに続くのが河名だ。昨年は学生二冠王者(59kg級と71kg級)になり、この冬はデーブシュルツ国際大会(1月)などで優勝し、存在をアピール。今年の世界選手権出場も狙っていた。

 だが、全日本選抜選手権では準決勝で太田に逆転負けを喫し、世界選手権への道は断たれた。あれから2週間。悔しさは残っているが、「もし66kg級で勝てたら自信になると思った」と、開き直ってマットへ。だが、準決勝は“お祭り気分”ではいられない相手が立ちはだかった。

 全日本選抜選手権で河名と同じ3位だった清水早伸(自衛隊)。初対戦だ。「清水さんはどんな大会でも3位以内に入ってくる選手。体力もあるしポイントを獲りづらい」と警戒していたが、絶対に負けたくない気持ちがあった。あの2人に最も近いポジションは「自分だ」ということを証明したかったからだ。

 大技は出なかったが、押し負けなかった河名が2-1で清水を下して決勝に駒を進め、そのまま決勝でも大勝した。

■影響を受けたのはフリースタイルのオリンピック王者、佐藤満コーチ

 河名は身長170cmと、軽量級では背が高く、小柄な選手と闘う時は、すぐふところに入られてしまう課題があったが、最近はそれを逆手にとって自分のポイントにつなげている。「入られた時、どれだけ早く処理して自分の形に持っていくか。ちゅうちょせず、一気に技をかけることが今日はできた」。

 決勝で、腕を取られたところを捕まえて、バック投げで4点を奪ったのは、河名の理想の形だった。

 今のルールは、パッシブによるグラウンド攻撃がなく、スタンドでの一瞬の攻撃が勝敗を分ける。河名は「自分に合っている」と自負する。技をかけるタイミングは、わずか1秒にも満たない瞬間の瞬発力がものを言う。「どの形だと技を出せるのかどうか、どの形だと守れるのか、研究するのがとても楽しいです」。

 この春からクリナップの所属選手として2020年東京オリンピックを目指す。拠点は母校・専大のまま。グレコローマン専門だが、レスリングの影響を受けているのが、ほかならぬ1988ソウル・オリンピックの男子フリースタイル52kg級金メダリストの佐藤満コーチだ。

 河名は「間合いや組手のバランス感覚は両スタイル変わりません。それを教えてくれるのが佐藤コーチ。最近、『少しはその感覚が分かってきたな』と言われたんです」と、うれしそうに話した。

 フリースタイルの軽量級では、同期の中村倫也(博報堂DYスポーツ)が、リオデジャネイロ57kg級銀メダルの樋口黎(日体大)を破って61kg級の世界界選手権を決めるという番狂わせがあった。文田や太田という大きな壁に挑む河名にとって、刺激になったのは言うまでもない。

 「うれしかったし、刺激になったけど、同期に先を越されたという点では悔しいですね」と苦笑した。しかし、中村からは強いメッセージが伝わってきた。―強いやつに勝つことは不可能じゃないんだ―。夢の東京オリンピック出場に向け、河名がさらに飛躍する!


 







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