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【全日本社会人選手権・特集】通算9試合をこなしてフリースタイルに目覚めた選手…男子フリースタイル74kg級・加賀谷庸一朗(和歌山県クラブ)

(文・撮影=増渕由気子)

 専門外のフリースタイルで1日9試合を闘い抜いた! 全日本社会人選手権の男子フリースタイル74kg級は、全日本選手権の男子グレコローマン80kg級3位の加賀谷庸一朗(和歌山県クラブ)が、決勝で岡崎一輝(自衛隊)を2-2のラストポイントで破って初優勝を飾った。

 個人戦の前に行われた団体戦にも、大学の後輩である阿部宏隆(サコス)から誘われて国士舘クラブのメンバーとして全試合に出場した。1日で計9試合を闘った。4年前、和歌山国体に向けての強化メンバーとして和歌山教育庁に入庁したが、今では県の教育のために従事する毎日を送っている加賀谷にとって、経験のない試合数だった。

 加賀谷は「僕の専門はグレコローマンなんですが、フリースタイルで9試合…。体にむちうって頑張りました。減量も9kgあって辛かったけど、いい記念になりました」と振り返った。

 社会人選手権の名物となりつつある団体戦。最近は若手選手が大学や出身地などをベースにチームを組み、エントリーして白熱した試合が展開されている。阿部の「国士館が好きだし、私も出たいと思ってメンバーを募集し、先輩に声をかけました」との声掛けによって国士館クラブを結成。予選リーグでは、あのALSOKを撃破して決勝リーグに進み、プロ集団の自衛隊に2-3と肉薄した試合を見せて2位と大健闘を見せた。

阿部宏隆選手(左)の導きでフリースタイルへ

 団体2位で個人は優勝。加賀谷にとってはこれ以上ない成績だったが、全日本レベルの常連選手だけに、「結果論ですが、(団体戦の)敗因は僕でしたね。僕のところが勝負どころでした」と悔しさをにじませた。

 その悔しさを午後から始まったフリースタイル個人戦で晴らす格好に。決勝に進出し、相手は団体戦で苦杯をなめた自衛隊の選手だったことから、さらに気合が入った。「団体戦の相手とは違いましたが、同じ自衛隊の選手ということで、リベンジしたいという気持ちがありました」。

 第1ピリオドに先制されるも、終盤に高校時代に覚えた大内刈りで追いついて2-2。ラストポイントによって勝利し、団体戦の負けを帳消しにする会心の一撃だった。

 加賀谷は「明日は(疲労と筋肉痛が)やばいと思います。疲れたけど本当に今日は楽しかった。練習不足、体力不足でここまで闘えたから、上々かな」と満足そう。社会人になってからは、グレコローマン三昧だった大学時代から一転し、高校生を指導する立場にもなり、フリースタイルに取り組む時間が増えた。

 「和歌山に来て周りの方にも恵まれて、成長できていると思う。フリースタイルをもっと磨いて、来年は個人、団体ともに優勝できるように…。いや、できるまで辞められません!」と、ダブル優勝を目標に掲げて、これからも精進することを誓った。



 

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