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2017.07.25

【特集】2017年世界選手権へかける(6)…男子フリースタイル61kg級・中村倫也(博報堂DYスポーツ)

《JWFデータベース》《UWWデータベース》《国際大会成績》《勝者の素顔=JWFフェイスブック》


(文=増渕由気子)

 2020年東京オリンピックの布石となる舞台へ! 今年の世界選手権の男子フリースタイル61kg級は、6月の全日本選抜選手権でリオデジャネイロ・オリンピック57kg級銀メダルの樋口黎(日体大)を本戦とプレーオフで連破した中村倫也(博報堂DYスポーツ)が挑む。

 銀メダリストを倒した勢いで世界選手権へまっしぐら、と行きたいところだったが、7月上旬の菅平合宿後、食中毒にかかってダウン。中旬の東京・味の素トレーニングセンターでの合宿は最終日のみの参加となり、静養を余儀なくされた。

 「高熱、腹痛、悪寒…。生ものは気を付けないといけないと思った。日本代表として自覚をもっと高く持っていれば、防げたはず」と反省の言葉を並べ、代表としての自覚を再確認した。

 ただ、合宿最終日には合流し、スパーリングで切れのいいタックルを連発するなど、すっかり回復した姿を披露。コーチら関係者をホッとさせた。

 中村はフィジカル面も病み上がりだ。右肩にできた良性の腫瘍、ガングリオンを除去する手術のため、昨年の夏は入院していた。そこからわずか1年での世界選手権出場だ。

 本心は「今年は間に合わないと思って、57kg級ではなく61kg級にエントリーした経緯があります。復帰戦として本当に出来がよく、樋口選手に“2回勝ってしまった”。自分はこれから上がっていく選手なので、限界は今じゃない。これからの成長を見てもらいたいです」と、成長の途中であることをアピールした。

■格闘技のレジェンド、ヒクソン・グレイシーとも“闘った”幼少時代

 中村の攻撃で有名なのは、高速タックルに加えて、通称“リンクル”と呼ばれる変形のアンクルホールドだ。このリンクルで強豪選手を軒並み倒した実績がある。だが今回の世界選手権では、リンクル中心の戦術はあまり考えていない。「東京オリンピックで勝つことが目標。あと3年ありますので、リンクルには頼らない闘い方をしたい」と話す。長期的な戦略上、リンクルの安売りはしないつもりだ。

 未知の領域である世界選手権を1ヶ月に控えても、緊張する素振りは見えない。中村の大物さのルーツは、2年前に他界した父、中村晃三さんにある。晃三さんは総合格闘技道場を経営しており、格闘技界では有名な人で、数々の大会や選手の来日に関わりを持っていた。

 中村がこれまでレスリングを続けてきたのは、父のおかげと言っても過言ではない。幼少の頃、総合格闘技のレジェンド、ヒクソン・グレイシー(ブラジル)に腕十字固めをかけて遊んでいたそうで、自宅には、ほかにも有名な選手と遊んでもらっている動画などが残っていると言う。

 「格闘技をやるために生まれてきたと思っている」。小さいころから有名選手に囲まれて育った経緯から、大舞台にのまれてしまう心配もしていない。

 「気になる国」と質問すると、「ロシアかな」との答え。外国人特有の緩急のある攻撃に中村がどのように対処するのかがポイントになりそうだ。“銀メダリストより強い男”中村の世界デビューはいかに。
 

中村倫也(なかむら・りんや=博報堂DYスポーツ)  初出場 

 1995年3月23日、22歳。埼玉県出身。埼玉・花咲徳栄高~専大卒。170cm。高校では全国大会2位が最高。専大へ進み、2014年全日本大学選手権57kg級で世界5位の高橋侑希を破って優勝。2015年全日本選手権3位などを経て、2016年全日本選抜選手権で優勝。
 2015年にはスペインGP2位など国際舞台でも活躍していたが、肩の手術でブランクのあと、2017年全日本選抜選手権61kg級で優勝。 

2009年全国中学生選手権で優勝、決勝の相手は文田健一郎!

2014年全日本大学選手権、世界5位の高橋侑希(山梨学院大)を破って優勝


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