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2017.08.05

【特集】2017年世界選手権へかける(14)…男子グレコローマン66kg級・高橋昭五(警視庁警察学校)

《JWFデータベース》《UWWデータベース》《国際大会成績》《勝者の素顔=JWFフェイスブック》


(文=布施鋼治)

 「自分が世界でどれだけ通用するのか。いまの僕は本当の意味で世界のレベルを知らないので、初めて出場する今回の世界選手権では、自分の実力を知るいい機会だと思っています」

 男子グレコローマン66kg級代表の高橋昭五(警視庁警察学校)は、今年に入ってからデーブ・シュルツ国際大会(米国)、セーロ・ペラド国際大会(キューバ)、ハンガリー・グランプリに出場して、いずれもメダルを獲得した。しかし、それほどレベルの高い国際大会ではなかったと振り返る。

 「キューバの大会は練習で当たったキューバの選手がものすごく強かったけど、僕の階級には出ていなかった。ハンガリーの大会はクロアチアの選手が強かったイメージがあるけど、それ以外の選手は世界で活躍できるようなレベルではなかった。」

 上記の国際大会出場は卒業前、日体大在学時に実現したもの。4月からは警察学校に進んだため、練習環境が激変した。学校の授業が優先されるので、レスリングの練習は自主トレが中心になる。今年4回目の海外遠征となった5月のアジア選手権(インド)は調整不足での出陣を余儀なくされ、5位に甘んじた。

 「正直、思った通りの動きができませんでした。ハンガリーに行った時の勢いでアジア選手権に臨んでいたら、決勝までは行っていたと思います」。世界選手権まで残りの期間は約半月。高橋は強化合宿を通じて一番調子が良かった頃の体を作り直そうとしている。「急ピッチの作業になるけど、つぶされる覚悟で頑張りたい」

■度重なる海外遠征で、世界の傾向と対策を把握

 リオデジャネイロ・オリンピックから1年が経ち、男子グレコローマン66㎏級の勢力図は激変している。現在の世界ランキング1位はアーテム・サコフ(ロシア)で、リオデジャネイロで金メダルを獲得したダボール・ステファネク(セルビア)は2位につけている。

 高橋は、どうせならロシアやイランなど強豪国の代表とやってみたいと訴える。「(リオで3位の)ジュマギ(ジョージア)は僕と同い年。僕も出た世界ジュニア選手権で優勝しているので、うっすらと記憶が残っている。アジア選手権の準決勝でもうちょっとのところで負けてしまったケビスパエフ(カザフスタン)は、リオでは59㎏級で出ていた選手です」

 度重なる海外遠征で、世界の傾向と対策は徐々に把握しつつある。「例えばキューバだったらひたすらツーオンワンの動きをしてくる。ヨーロッパだと胸を合わせて反るタイプが多い。韓国や中国は日本と同じように差しのレスリングを挑んでくる。それぞれ国や地域によってのレスンリグがあると思います」

 今回が世界選手権初出場となる高橋の強みとは-。それは高橋のデータを入手している対戦相手が少ないという点につきる。「なので、思い切り闘う。アジア選手権で文田(健一郎=59kg級で優勝)の相手は絶対に組ませないようにしていたけど、それでも文田が勝っていた。それだけ自分のスタイルが徹底していた。その時、やっぱり徹底していた人が勝つんだなと思いましたね」

 初めて足を踏み入れるフランスで、高橋はどんな”爪痕”を残すことができるか。

高橋昭五(たかはし・しょうご=警視庁警察学校) 初出場 
 1994年10月16日生まれ、22歳。兵庫県出身。兵庫・育英高~日体大卒。165cm。高校時代は全国大会無冠。2014年JOC杯ジュニア66kg級で勝ち、世界ジュニア選手権に出場。全日本選手権は3位。
 2015年は全日本学生選手権71kg級で優勝し、全日本選手権は2位。2016年は全日本選抜選手権と全日本学生選手権71kg級で優勝し、全日本選手権も制した。  

高校時代の最高成績は2012年国体の2位(右端=優勝は屋比久翔平)

2014年JOC杯、レスリング歴4年1ヶ月で初の全国タイトル獲得=撮影・矢吹建夫


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