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2017.08.08

【特集】2017年世界選手権へかける(17)…男子グレコローマン98kg級・奈良勇太(日体大)


《JWFデータベース》《UWWデータベース》《国際大会成績》《勝者の素顔=JWFフェイスブック》


(文=保高幸子)

 世界選手権の男子グレコローマン98kg級は奈良勇太(日体大)が初出場する。二世選手ではあるが、レスリングを始めたのは高校から。「大学生のうちに全日本3位に入れたらいいと思っていた。信じられないくらいトントン拍子」で勝ち取った世界選手権代表の座だ。

 全日本選手権を2度優勝した父・英則さんから「今回は初めてなんだから、いい経験をしてこい」と言われており、オリンピックにつなぐためのステップと位置付ける。「まずは1勝。エントリーの中で一番下というか、チャレンジャーの位置。がむしゃらに攻めていきます」と気合を入れている。

 7月はポーランドとスペインの遠征に参加した。遠征を通して感じたことは、「自分はまだまだ世界で通用しないレベル」-。日体大同期の樋口黎(フリースタイル61kg級)と文田健一郎(グレコローマン59kg級)はともに海外でも実績を残しており、「追いつくには、やらなければいけないことがたくさんある。2人に追いつきたい、という気持ちなくして成長はない」と奮起の材料にしている。

 ポーランドでは、試合で試したのは初めてというそり投げを決めてフォール勝ち。スペイン・グランプリは3戦3敗したが、収穫はあった。リーグ戦となり2試合をテクニカルフォールとフォールで負けたあと、最後の試合で2014年85kg世界王者のヌモンビ(フランス)と対戦。場外とコーションによる失点で0-2と負けはしたものの、テクニカルポイントを与えなかった。

 「テクニカルフォールで負けるのは絶対に嫌だ、と思って、合宿で練習したように試合をしたら、6分間闘うことができた」と話す。

■「バイブス、あがってますか?」→「あがってるよ、ばちあげだよ」

 ジュニア時代は外国人と張り合えた体力。シニアではそうはいかなかったが、「体力さえ世界のレベルにもっていけば、絶対に通用するという自信がある」-。今は栄養、トレーニング両面から、やったことが100%身体になるように努めているという。

 技を吸収するスピードは人一倍と自負する。何度か見れば、それを再現することができるそうで、高校時代には父のインカレでの首投げをビデオで見て、半年後にはそれでJOC杯で優勝したという。「加藤賢三さん(2007年97kg級世界5位で首投げが得意)の映像も見ました。この技は世界でも通じると確信しました。ぼくの必殺技にしたい」と話す。

 試合前に必ず行うルーティンがある。試合前にパートナーがマットの下で「バイブス、あがってますか?」と聞き、奈良が「あがってるよ、ばちあげだよ」とふざけて答えるというもの。「スイッチが入るんです。『俺が一番センスあるし、練習もしているから、俺は絶対負けない』とイケイケになって、マットに上がります」という。

 バイブスとは「気分」「雰囲気」という意味。「バイブスあがった」というのは若者の共通語で、気分が高揚する、いい感じだ、という意味。奈良のつくった最上級表現が、「バイブスばちあげ」。

 「(太田)忍先輩や文田みたいに展開が6分間続き、見ている人が面白いと思ってくれるような試合をしたい。大きい会場で歓声を浴びたいんです」と、自他共に認める目立ちたがり。理想とするのは大技で魅せるレスリング。

 「世界選手権では”バイブスばちあげ”になれるよう、がんばりますよ」と、ニカっと笑う奈良に重量級の底力を期待したい。

奈良勇太(なら・ゆうた=日体大)  初出場
 1996年3月7日生まれ、21歳。東京都出身。埼玉・花咲徳栄高卒。185cm。高校時代は全国大会無冠。日体大へ進み、2014年全日本学生選手権で1年生王者へ。
 2015年は全日本大学グレコローマン選手権で優勝し、2016年はJOC杯、全日本選抜選手権などのほか、世界ジュニア選手権96kg級で5位入賞と実力をつけた。
 2016年全日本選手権で初優勝。父・英則さんは1990・91年全日本王者。

2012年JOC杯カデット85kg級で優勝

2014年全日本学生選手権で1年生王者に輝く


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