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2017.08.23

【2017年世界選手権・特集】2020東京への序章となる日本グレコ34年ぶりの金メダル!…男子グレコローマン59kg級・文田健一郎(日体大)


表彰台の一番高いところで君が代を聞く文田健一郎(日体大)

 【パリ(フランス)、文=増渕由気子】日本グレコローマン、再び世界を制する! 世界選手権の男子グレコローマン59kg級は、文田健一郎(日体大)が初出場で5試合を勝ち抜き、金メダルを獲得した。

 「最高にうれしいです。この大会のためにやってきた。成績を残せてうれしい!」

 昨年のリオデジャネイロ・オリンピックでは、太田忍(ALSOK)が銀メダルを獲得した階級で、その太田を国内で破り、国際大会でも軒並み成績を残し続けた。昨年6月から負けた相手は、国際大会で太田に2度負けただけ。世界レスリング連盟(UWW)のランキングは3位で、今大会の出場者の中では1位。報道陣に配布されたこの日の注目選手のコーナーの59kg級には文田が紹介されるなど、前評判も抜群だった。

 オリンピックも出ていない初出場の文田だが、選手にも報道陣にもがっちりマークされていた。「日本としても太田選手が活躍したり、自分も国際大会で優勝してきた。だから負けるわけにはいかなかった」と自覚は十分。

優勝直後、笹本睦コーチ、松本慎吾監督(向こう側)から祝福される

 「研究されていても、僕にはこれしかないので」と、得意のそり投げ連発を予告していたが、文田と胸を合わせて真っ向勝負する選手は皆無。半身の前かがみの態勢で組み合う選手がほとんどだった。

 異様な光景だったのは、下半身の攻撃が禁止されているグレコローマンにもかかわらず、何度も足を触られたことだ。文田のそり投げを警戒して相手が低姿勢になっていた証拠だ。そり投げにつながる組み手も嫌って、指も頻繁につかまれた。それでも、2回戦のアルメニア選手にはそり投げ2本でテクニカルフォール勝ち。これぞ文田という試合を世界選手権の大舞台でも披露した。

世界銀メダリストの無念が文田に乗り移った!

 日本のグレコローマンの金メダルは、世界選手権では1983年の江藤正基、オリンピックでは1984年ロサンゼルス大会の宮原厚次以来。日本グレコローマンは決勝で勝つセオリーが見いだせなくなっていた。苦節34年、10人の日本戦士が世界選手権で金メダルマッチに出場したが、決勝で涙をのんでいる。

 セコンドに就いた2007年世界選手権銀メダルの笹本睦コーチもその一人。「僕の経験上、ここで勝てないと大事なところで勝てないのかなと思う。実際、僕はオリンピックに3回出ているのに、メダルはとれなかった。本人には決勝で全部出し切るように、どんな形であれ、しっかり勝てとアドバイスした」。

日本が34年間、待ち望んだ世界選手権でのメーンの日の丸

 決勝は、過去の銀メダリストの無念が文田に乗り移ったような試合だった。アジア選手権決勝でも僅差だったカザフスタンのミランベク・アイナグロフに、文田はとにかく前に出た。パッシブは文田、アイナグロフ、文田と取り、2-1で終盤に。パッシブを狙いにアイナグロフが一歩前に踏み出すのを、文田は全身で耐え抜いて下がらなかった。

 昨年までは国内2番手のポジションながらも、ターゲット選手で世界選手権やオリンピックを現地で体験していた。「世界の舞台でどうやって戦うか、先輩たちを見ていてわかっていたし、自分に置き換えてイメージしていた。ターゲットでの経験がこの金メダルにつながりました」。チームジャパンとして2020年東京大会を見据えた強化が実った格好でもあった。

 表彰式では顔の半分ほどの大きくて分厚い金メダルが授与された。「あとメダル2個とって東京オリンピックに行きたいです。それが東京の金メダルに近い方法だと思う」。

 そのためには国内でも勝ち続けなければならない。待っているのはリオデジャネイロ銀メダルの太田先輩だ。「12月(全日本選手権)で絶対対戦する。また1から作り直したい」。この金メダルは日本チームにとっての悲願だが、文田にとっては始まりの金メダルでしかない。

 2020年、文田のオリンピックの金メダル獲得に向けて本当の闘いが始まった。


 







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