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2017.10.14

【愛媛国体・特集】文田健一郎との再戦を前に満足のいく優勝…男子グレコローマン59kg級・太田忍(山口・ALSOK)

(文・撮影=増渕由気子)

3年ぶりに国体を制し、昇り調子で全日本選手権へ向う太田忍(山口・ALSOK)

 「12月に勝って、もう一度輝きたい!」-。昨年のリオデジャネイロ・オリンピック男子グレコローマン59kg級銀メダリストの太田忍(山口・ALSOK)は、愛顔(えがお)つなぐえひめ国体で3年ぶりに59kg級に出場し、圧倒的な強さで優勝を決めた。

 愛媛から程近い山口は高校3年間を過ごした場所。「お世話になった方々へ、僕の成長を見せるいい機会だと思っている」と、国体のマットで大暴れ。十八番の胴タックルよりも、俵返しなどいつもと違う技に注力し、「練習ではなく、試合で俵返しなどを決めることができてよかった」と満足そうに振り返った。

 オリンピック前も、太田は胴タックルを封印し、がぶり返しで国際大会を闘うなど技を増やすことに余念がなかった。今回も、12月の全日本選手権の前哨戦として、実戦感覚で新しい持ち技の“試運転”ができたことだろう。

 後輩の文田健一郎(日体大)が頭角を現し、8月の世界選手権(フランス)で日本男子34年ぶりの金メダルを獲得。確かに1年前、日本レスリング界の真ん中にいたのは太田だったが、わずかな間にオリンピック銀メダリストが2番手扱いになるという、59kg級はまれにみるハイレベルな階級となっていた。

文田健一郎の快挙を称え、「お互いに刺激し合っている」

 世界選手権での文田の金メダルについて、太田は「すごいなって思っている」と素直に称え、「去年は健一郎のサポートがあって僕が銀メダルを獲れた。お互いに刺激し合って世界のトップに立っている」と、後輩の活躍を誇らしそうに話した。

初戦から豪快な技を繰り出した太田

 だが、59kg級(新階級では60kg級)の日本代表の椅子はひとつだけ。12月の全日本選手権で2人は再び同じ階級で勝負することになるだろう。昨年12月の全日本選手権からの直接対決では勝ち負けを繰り返し、どちらも譲らない格好だ。太田は「国内では健一郎が強くて、海外では僕が強い傾向にある。2連勝できないのは、それだけ差がないという証拠」と説明した。

 2人が最後に闘ったのは7月のスペイン・グランプリ。その時は文田が勝った。“慣例”で言えば、12月は太田が勝つ番。「健一郎は世界チャンピオンになって、プレッシャーがあって、『きつい』と思っているはず。僕にとってはチャンスです。12月に勝って、もう一度、輝きたい。目をこっちに向けたいです」とアピールした。

 2020年東京オリンピックに向けて熾烈なライバル関係が予想されるが、太田は「2人の関係に、早く決着をつけたい」と言い出した。「先に2連勝したもん勝ちだと思っている。そうなれば、どちらかが諦めると思う」。要するに連敗したほうが、階級変更をするのではないかと予想した。

 「減量は苦しいけど、60kg級が一番いいと思ってやっている。全日本選手権、文田以外にもたくさんライバルはいるけど、しっかり勝負して優勝したい」―。リオデジャネイロ・オリンピックで魅せた輝きを、今年の全日本で発揮できるか。

準決勝もスタンドからの技がさえた                     

6月の全日本選抜選手権での文田健一郎と闘う太田(青)、半年ぶりの対戦は?







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