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2017.10.17

【特集】愛媛の“マサコ・デラックス”藤野雅子さんが愛媛国体で審判に本格復帰

(文・撮影=増渕由気子)

藤野雅子審判員と兄で国体運営を切り盛りした越智雅史さん

 初の総合2位となり、最高の形で地元国体を終えた愛媛県。選手、コーチとともに話題をさらったのは、約4年ぶりに全国大会での審判員を努めた藤野(旧姓越智)雅子さん。成年フリースタイル97kg級の園田平(滋賀・拓大)-山本康稀(北海道・GENスポーツ)の決勝をしっかりと裁いた。

 藤野さんを「堂々と迷いなく微妙な判定も裁く。立ち振る舞いや発声なども含めて存在感がある」と高く評価するのは、昨年、リオデジャネイロ・オリンピックに審判員として参加した沖山功・日本協会副審判委員長だ。

 マット上では堂々たるふるまいで審判を行い、マットを降りればマスコットキャラクターとして大人気。現役時代は中京女子(現至学館大)の重量級選手として活躍した体は健在で、体格のよさと乗りのいいキャラクターから、四国地方の先生たちからは、お茶の間の人気タレント、マツコ・デラックスをもじって“マサコ・デラックス”という愛称で親しまれている。

成年フリースタイル97kg級決勝を裁く藤野さん

 愛媛県内の私立高校でレスリングの指導者をしつつ(現在は退職)、「愛媛県に正しいルールを普及させたい」という想いから審判の道を志し、2012年にA級審判に合格。翌年から全国大会に参加して実力を伸ばし、国際審判の候補として名前が挙がったほど。実力は折り紙つきだった。

 その後、結婚、妊娠をきっかけに、国際審判への挑戦を中断し、家庭や育児に専念。「ブランクを作ってしまったことに後悔はありません。自分が選んだことなので」。全国大会は以前のように男性の審判員だけとなり、紅一点だった藤野さんを見かけることはなくなった。

4年ぶりの全国大会で「審判員の血が騒いだ」

 だが、この4年間、審判への情熱は冷めることはなかった。「愛媛国体が決まっていたこともあり、今大会に参加させていただくことを目標にやってきました」。今治工業高校でレスリング指導に携わる兄・雅史さんから最新情報を手に入れ、免許更新にあたる審判クリニックは欠かさず受講していた。

大役を無事こなし、飛躍を誓った

 幸運にも、四国には日本トップクラスの審判員として前述の沖山審判が香川に在住している。「ルールがすぐ変わるけど、気になることは、なんでも沖山先生に伺って、解決してきました」。近年は大きな大会になれば動画中継などが充実。審判員の目線で、点数をつけながら見て腕を磨いたという。

 3歳と2歳になった子育ても順調で、少しずつ時間を作れるようになってきた。「夫は審判をすることに協力的で、審判を辞めてしまうことに『もったいないよ』と言ってくれました」。両親と夫に子供を預けての約1週間の遠征は、「家庭を持ってから初めて」と話すが、周囲の協力で乗り越えた。

 愛媛県国体に審判員として貢献するという公約は果たせた。久々の全国大会を経験し、藤野さんは「審判員の血が騒ぎました」と満足そうに振り返った。現在39歳。4年前に挑戦しようとした国際審判員の再挑戦について問うと、「やる気はあります」ときっぱり。「どんどん女性審判員を増やして、いつか、女性審判だけで4面マットを埋めてみたい」と、女性審判の“代表”として、今後も尽力していくことを誓った。







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