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2017.11.15

【全日本大学選手権・特集】笑顔はじける学生二冠王者!…86kg級・白井勝太(日大)

(文・撮影=増渕由気子)

3年ぶりの優勝と学生二冠王を勝ち取った白井勝太(日大)

 3年ぶりの優勝で学生二冠王者に! 全日本大学選手権の86kg級は、8月の全日本学生選手権優勝の白井勝太(日大)が決勝で、昨年の国体74kg級王者の浅井翼(拓大)をテクニカルフォールで下して優勝。1年生時の2014年以来3年ぶりの2度目の優勝を遂げ、学生二冠王者に輝いた。

 白井にとって浅井は、高校時代に74kg級でしのぎを削った間柄。当初は白井が優勢だったが、いつしか形勢は逆転し、苦手な相手になっていた。白井が階級アップして別階級になっていたため、直接対決は1年生のJOC杯以来で、約3年半ぶりの対決となった。

 白井は「(通算成績では)負けこんでいる因縁の相手なので、借りを返したいと思って燃えていました」と気合を入れた。試合の主導権を握って一方的に攻めて、第2ピリオド早々にテクニカルフォール勝ち。86kg級では白井が一日の長があることを見せつけた。

 「この階級でやってきたプライドがある。学生のうちに勝つことができてよかった」。2020年東京オリンピックに向けて、浅井も最終的には86kg級に参戦するようで、再びライバル関係となる2人。その序章は白井がリベンジという形で決着した。

JOCエリートアカデミーの後輩の活躍に刺激を受ける

 印象的だったのは、白井がじょう舌で、“にっこにこ”の笑顔だったこと。「勝つための準備をしっかりやってきたから、試合が楽しみで待ち遠しくて仕方がなかった。こんなことはレスリングをやっていて、初めてのことでした」。

2013年インターハイ決勝で浅井(右)に敗れた白井。相性は悪かった

 多くの人からアドバイスを受け、レスリングへの取り組み方や考え方などのすべてを変えた。「この1年で、自分のことがよく分かるようになったんです。昔はレスリングを感覚的にやっていて、全く考えていなかった。感覚的にやっていたから、調子も安定せず、調子が悪いままだと試合をするのが嫌だった」。確かに。これまでの白井には神経質な一面があった。

 「自分を知ることで、すぐにできること、時間がかかること、できないことなど、自分の能力について客観視できるようになりました。自分の得意技を見つめ直し、それを出すにはどんな練習をどのようにやればいいのか分かるようになったんです」。

 昨年は耳の病気にかかり、静養を余儀なくされた苦しい時期もあった。12月の全日本選手権2位になっても、笑顔はなかったことが記憶に新しい。今でも完治してないようだが、「自分を知ることで(病気と)うまくつきあえるようになった」と、競技に影響することがなくなったそうだ。

難敵を破っての優勝にガッツポーズの白井

 白井をアシストしたのは、同世代で今年世界王者となった文田健一郎(日体大)の存在であり、JOCエリートアカデミーの後輩たちの活躍だ。「須崎優衣や乙黒兄弟(圭祐・拓斗)たちの活躍は刺激になりましたね。僕もアカデミー出身(1期生)なんだから、頑張らなくちゃって思いましたよ」。

 出世頭の同期や後輩を見て感じたことがあった。「強い選手って、自分のことをよく理解しているんです。僕はこれまで、自分を知ろうともせずやってきた。だから視野も狭くて、やりたいことすらできなくなっちゃった。4年生でやっと自分のことが分かって、毎日が楽しくなりました。最近『お前変わったな』ってよく言われます」。

 卒業後は大学院に進学して競技を続ける予定。2020年東京オリンピックに向けて、「攻撃も防御もまだまだ進化します。伸びしろがいっぱいありますから」と話す白井。「12月の全日本選手権でも優勝できるように頑張ります」と最後まで笑顔だった。







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