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2017.12.30

【全日本選手権・特集】新たな階級でも圧勝優勝、来年は海外の74kg級で飛躍か…男子フリースタイル74kg級・藤波勇飛(山梨学院大)

(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)

74kg級でも強さは変わらなかった藤波勇飛(山梨学院大)。来年は世界の74kg級に挑戦!

 満を持しての階級アップで見事優勝! 全日本選手権の男子フリースタイル74kg級は、世界選手権70kg級銅メダリストの藤波勇飛(山梨学院大)が決勝で、2014年世界選手権70kg級代表の保坂健(自衛隊)をテクニカルフォールで下して初優勝を遂げた。

 これまで同級は、オリンピック2大会連続出場の実績がある高谷惣亮(ALSOK)と若手の有望株、山崎弥十朗(早大)がツートップだった。当日の2日間計量にルールが変わることに伴い、両者ともに79kg級へ上げた。

 空いた階級の新チャンピオンとして名乗りをあげたのが、70kg級から階級を上げてきた藤波だった。前哨戦となった11月の全日本大学選手権で74kg級にエントリーし、元学生王者らを次々とテクニカルフォールで下して優勝。今大会も「自分のレスリングができれば、勝てると思った」と自信を持って臨んだ。

 だが、自信と慢心は紙一重。初戦では全日本大学選手権で無失点のテクニカルフォールで下した吉田隆起(拓大)に4点を奪われた。「油断していたと思う。ちょっとだけふわっとしてしまった。でも、後輩に失点したことで火が付いた」と逆転フォール勝ちで初戦を突破し、そのまま決勝戦まで勝ち抜いた。

 今大会、藤波の風貌が変わったのは、74kg級にふさわしい一回り大きくなった体だけではなかった。顔周りに外国人選手のような立派なあごひげをたくわえていた。

 個人的なファッションかと思われたが、「実はゲン(縁起)かつぎです」と真剣な顔で話し始めた。昨年は65kg級でリオデジャネイロ・オリンピック最終予選の代表となり、日の丸を背負って闘うなど飛躍の年になった。しかし全日本選手権は減量に失敗し、脱水症状で棄権という結果に終わった。

 「昨年のこの大会でやらかしてしまった。トラウマではない…、いや、トラウマです。穴があったら入りたいって思いましたし、(競技を)辞めたいとも思いました」。

 昨年の全日本大学選手権で優勝した時はひげを生やしていて、全日本選手権前に剃ったところ、減量に失敗したという。そのため、ゲンかつぎで、わざとあごひげをたくわえて出ることを決意した。

 物おじしない藤波でさえ「鬼門」と思わせた全日本選手権。その緊張感をほどいたのは、山梨学院大メンバーの活躍だった。70kg級の決勝は乙黒と木下貴輪の同門対決となり、65kg級では乙黒の弟、拓斗がリオデジャネイロ・オリンピック57kg級銀メダリストの樋口黎(日体大)に競り勝った。「みんなの試合を見ていたら興奮してきた」と、仲間の活躍の相乗効果があったようだ。

 これで来年はオリンピック階級で世界選手権への出場に王手をかけたことになる。「僕は体力がある方なので、海外でもやれると思う」と、70kg級に続いて活躍することに自信をのぞかせていた。







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