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2017.12.31

【全日本選手権・特集】世界最高レベルの闘い、勝ったのは“挑戦者”!…男子グレコローマン60k級・太田忍(ALSOK)


(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)

世界最高レベルの決勝は、太田忍(ALSOK)の手が上がった

 「60kg級は太田忍の階級です!」−。オリンピック銀メダリストと世界チャンピオンが激突した全日本選手権の男子グレコローマン60kg級の決勝は、30階級ある決勝の中でも別次元だった。

 昨年のリオデジャネイロ・オリンピック銀メダルの太田忍(ALSOK)が、今年の夏に日本男子として34年ぶりの世界チャンピオンとなった文田健一郎(日体大)に挑む構図。文田に負けて世界選手権代表を逃した太田は「この大会で負けたら階級を上げる」と明言し、背水の陣で臨んだことが功を奏した。5−4の大逆転劇で文田を下し、2年ぶりの優勝を決めた。

 この1年間はスタンド攻撃にめっぽう強い文田が抜けていたが、グラウンドの選択が復活したルールではどうかが焦点だった。序盤のスタンドで主導権を握ったのは文田だった。太田は最初にパッシブを取られ、グラウンド技を足でしのいだとされて2失点。ここまでは文田の時間だった。

 「8月に世界チャンピオンの肩書を得たことで、健一郎は自信がついたようだ。とても強くなっていた。第1ピリオドですでに手がつってしまい、ピンチだった。しかし、チャレンジなどで休めて回復することができた」。2人の試合は紙一重の判定が多く、チャレンジやコンソルテーション(審判団による協議)で試合が何十秒も止まったことが3度もあった。手のつりも緩和され、いよいよ後半戦、太田の反撃の準備が整った。

 残り1分半ごろ、パッシブを取ってついにグラウンドの攻撃が回ってきた太田は、得意のがぶりが返しを強引に決めて2点。チャレンジによって文田にも2点が追加され、4−3と変わらず1点のビハインドだったが、練習してきた得意技を決めたことで流れをつかんだ太田は、勝利を確信していた。「根拠のない自信だったんですが、1点差でしたし『今日は、なんかいける!』って思っていました」−。

 残り22秒、文田に胸を合わせることは自殺行為とされる中、わずかなスキを見つけて太田から胸を合わせにいき、スタンドから豪快に投げ技を決めて見せ5−4で勝利した。「グラウンドとスタンドの両方の技が決まった。研究されてる中、技がかかってうれしいです」。

 大勢のマスコミに囲まれた太田は「ここまで来るのが長かった…」と切り出した。「去年は僕が実力的に上だと思っていたけど、今は違う。健一郎が上で、それに僕が挑戦していった」と現状の立ち位置を受け入れた。太田から文田にスパーリングをお願いして“挑戦”の姿勢を貫いた。

 リオデジャネイロ・オリンピック後、2人の対戦は勝ち負け繰り返し、2連勝がない。その“法則”でいけば、今回は太田が勝つ番だった。太田は「本当にそうなりましたね。次こそ自分が2連勝して、来年は僕が世界チャンピオンになります」と力強く言い切った。







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