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2018.04.21

【特集】「レスリングが仕事を頑張る原動力です」…シンガポールから審判で参加した尾形博さん(三井住友銀行)

(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)

シンガポールから参加した尾形博審判員

 JOCジュニアオリンピックカップ(JOC杯)の審判にシンガポールから参加! ここ数年、単身赴任中のシンガポールからJOC杯に合わせて一時帰国し、クリニックを受講していた尾形博さん(立大レスリング部OB)が、今年は大会の審判員として正式に参加。華麗なレフェリングを披露した。

 会う人と交わす決まり文句は、「尾形さん、また本当にシンガポールから来たんですか?!」「はい、そうなんですよ」-。

 尾形さんは三井住友銀行の資産監査部シンガポール駐在ヘッドとして、5年間も東南アジアとオセアニアのポートフォリオの管理をしてきた。部下は一人を除いて全員外国人。堪能な英語を使って駐在所を切り盛りしている。仕事が激務であることは言うまでもないが、尾形さんにとっては、頑張る理由がレスリングに他ならない。

 「JOC杯やリーグ戦、インカレのときなどは休みをとって帰国します。お声がかかれば審判で参加しています」。長男の尾形颯(現中大)は2015年に埼玉栄高(埼玉)がインターハイ学校対抗戦で優勝した時のレギュラーメンバーで、昨年の全日本大学選手権では70kg級で3位に入賞している。海外からかけつけて息子の晴れ姿を見守り、自分の審判技術を上げることがここ数年の尾形さんのライフワークだった。

 花形の海外勤務の中、自己都合の休暇を取るのはとても難しいこと。だが、「レスリングで休むために休日出勤をすることもあるけど、苦にならないです」-。。

全日本選手権のマットを目指して努力する尾形審判員

 立大レスリング部時代は68kg級で活躍した。銀行に入行した後はひたすら働き、一時はレスリングから遠ざかったこともある。「特に30代のときは、すべてが仕事で、何もできなかった」。海外転勤もある会社なので、英国で暮らしていたこともある。

 日本勤務になったある日、母校・立大の助監督を務めることになった。立大関係者にA級審判員がいなかったことと、指導者は最新のルールを身につけるべきという考えで、審判の勉強を始め、2011年にA級審判員に合格した。

 現在52歳。「60歳くらいまではこのサイクルでやっていこうと思っている」。一流企業で働く尾形さんを虜(とりこ)にするレスリングの魅力とは、一体何なのだろうか。「審判をすることで、多くの方と知り合えたし、審判員と交流することで、立大のスカウトにつながるなど、副産物もたくさん。一言で言うと、人生が豊かになりました」。

 日本協会の斎藤修審判委員長は「民間企業勤務で審判をしてくださる貴重な存在。審判が好きなようですし、ぜひこのまま続けててほしい」と、今後の活動に太鼓判を押した。

 尾形さんの最終目標は高く、「全日本選手権に呼ばれたい。あの高いステージマットの上に上がりたい」-。海外勤務にレスリング審判。ワールドワイドに活躍する尾形審判員だ。







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