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レスラー列伝 山本“KID”徳郁(2)

「開場前から長蛇の列! 史上空前の全日本選手権を振り返る」

文=樋口郁夫(日本レスリング協会広報委員)

 2007年1月29日、駒沢体育館の前には長蛇の列ができていた。山本“KID”徳郁のレスリング挑戦を見るため、多くのファンが並んだ。レスリング史上、最も大きな注目を集めた全日本選手権を振り返る。


(本文より)

 総合と打撃にどっぷりと浸かっているKIDが、2年後の北京オリンピックに出場できるとは思えなかった。

 「でしょう…」と谷川プロデューサー。続いて「オリンピックに出るには、どんな関門があるんですか?」と聞かれたので、昔と違って予選があり、国内代表になっただけでは出場できないことを話し、予定されていた国内と世界の予選システムなどを説明した。

 谷川プロデューサーは「厳しいですね」とポツリもらした。プロにはプロの厳しさがあるが、プロ格闘技はまだ世界中に広まっているわけではなく、選手数は絶対的に少ない。プロの「世界トーナメント」に出るより、レスリングでオリンピックのマットに立つことの方がはるかに厳しい。人気絶頂のKIDが、あえてこの難関に挑むというのだから、すごいことだと思った。

 ところが、続いて谷川プロデューサーの口から出てきた言葉に、耳を疑った。「止められませんかね」-。

(中略)

 谷川プロデューサーの言葉の意味は、「オリンピックに出るには、こんなに厳しい関門があることや世界のレスリングの厳しさを教え、思いとどまらせることはできないでしょうか」ということだった。

 筆者に話をもってきた理由は理解できたが、筆者は自分のやりたいことを求めて超安定企業を辞めた人間だ。「やらないで後悔する人生はおくりたくない」という生き方をしてきた。「やりたい」という人間を止める気持ちは全くなかった。

 若い頃の私なら、「やりたいのなら、やらせてやればいいじゃないですか」と返し、せっかく自分を信頼して話を持ってきた人の神経を逆なでしただろう。だてに年は重ねていない。人間関係を悪くしないような理由を挙げて丁重にお断りしたが、内心は前記の言葉の通りだった。

 

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