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クローズアップ 五輪ボイコット・選手たちの蹉跌 髙田裕司

「涙の抗議の意味 ― 1980 年の悪夢 ―」

文=松瀬学(スポーツライター)

 1980年モスクワ・オリンピックのボイコットに関し、衝撃的なシーンとなった“世界最強のレスラー”高田裕司(現日本協会専務理事)の涙の抗議。その真相に迫る。


(本文より)

 髙田裕司は泣いた。

 左目の上の白く大きな絆創膏が痛々しい。モスクワ・オリンピックに参加できなかったら、今までの努力はなんだったのか。だれが責任をとってくれるのか……。そう漏らすと、レスリングの1976(昭和51)年モントリオール・オリンピック金メダリストは左手で目頭を抑えた。

 この有名なシーンはテレビのニュースで全国に流れ、少なくない人々の記憶に刻み付けられた。モスクワ・オリンピック・ボイコットによる選手の悲痛さを物語る映像として、このシーンは今でもオリンピックごとに放送されることになる。

 28年前の涙の理由はなんだったのか。1954(昭和29)年生まれ。日本レスリング協会の専務理事となった髙田は気恥ずかしそうに口を開いた。

 「体力のぎりぎりのところで一生懸命にやっているやつがいるのに、なんで決起集会という“くだらないこと”をやらなくちゃいけないのか、と思った。僕らは死ぬほど苦しい思いをしているのに……。あのとき、実はよれよれになっていた練習相手の後輩の姿がパッと浮かんだのです。それで泣いてしまって……。悔しさ、怒りというか、むなしさですか」

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