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2011.09.15

【世界選手権第3日】女子48㎏級・小原日登美(自衛隊)


死力を振り絞りスタドニクを攻める坂本

 【イスタンブール(トルコ)、文=池田安佑美、撮影=矢吹建夫】坂本で金、小原でも金! 女子48㎏級の小原日登美(自衛隊)が51㎏級時代も含めて8度目の世界女王になった。初戦(2回戦)でスロバキア、3回戦でノルウェー、準々決勝で2008年北京五輪女王のキャロル・ヒュン(カナダ)を撃破して日本勢初となる五輪代表枠を獲得。その勢いに乗って準決勝では中国の北京五輪代表、趙沙沙(チャオ・シャシャ=中国)をフォールで下し、決勝では2009年優勝のマリヤ・スタドニク(アゼルバイジャン)を破って、優勝を決めた。

 去年よりも厳しい闘いだった。強豪選手の多くが反対ブロックに入り、小原も「恵まれた組み合わせだった」と認めるトーナメントだったにもかかわらず、2度ほどローリングを乗られてフォールに持ち込まれかけるなど、昨年よりも危ない場面が多かった。
 
 昨年11月のアジア大会で負けたソ・シムヒャン(北朝鮮)など10代や20代前半の若手が次々と誕生する中、30歳の小原には体力的なハンデが出てくる。さらに昨年優勝したため、各国からのマークもきつくなった。だが、過去7回世界の舞台で優勝している小原のほうが試合巧者で、各選手を技術で翻ろうした。
 
 決勝のスタドニク戦では、第1ピリオドを2-0でリードしていたにも関わらず、ラスト5秒で豪快な3点タックルを奪われて逆転で落としてしまった。「正直、(第1ピリオドを)勝ったと思った」と油断したところをすくわれた。それほどに48㎏級のレベルは高い。すぐさま切り替えて第2、第3ピリオドと得意のタックルで要所を締めた。
 

決勝の第3ピリオド、1-0でラスト30秒を切り、絶体絶命のピンチ。この状況をしのいで優勝へ

 結果だけみると、世界V8を達成し女王の風格は強みを増している。だが、決して楽に2連覇を達成したわけではなかった。「アジア大会で負けた後は自信がなくなってしまったんです。国内でもポイントを取られるようになったりしたし」と小原。この10ヶ月は、51㎏級と48㎏級のレベルの差も痛感し、減量から試合の組み立てまで悩み続けた時期もあった。そんな小原を支えたのは、昨年10月に結婚した小原康司さん。小原のメンタル面を大きく支え続けた。
 
 結婚直後のアジア大会ではまさかの3位。「結婚がダメだったんじゃないかと言われて、ダンナに悲しい思いをさせてしまった。今回からは小原日登美として、小原の名前を背負って絶対に勝って、笑顔で終わらせられた」と、アジアの悲劇を払拭するような最高の結果を出した。
 
  結婚後初めての世界一に輝いた小原だが、現在世界の48㎏級には“ミセス”の選手が多い。今日対戦した中では、ヒュンや決勝のスタドニクなども既婚者。ヒュンは結婚後に北京五輪女王になり、スタドニクは結婚後に世界選手権初出場を果たし、昨年は産休と公私共に順風満帆。このように結婚をプラスにしている選手が多い。小原もこの10ヶ月間、小原さんの支えによってアジア大会の悪夢を拭い去って、世界女王の座を守り抜いたのだ。
 
 今大会の優勝で、12月の全日本選手権で優勝すれば、夢の五輪代表に決まる。自ら五輪への足がかりを作った世界選手権で「今大会の優勝は今までで一番うれしい」と満面の笑顔で話した。
 
 栄和人女子強化委員長もホッとした様子。まだ48㎏級は五輪で金メダルを獲得していない。2年間の小原の活躍を見て、「日登美はタックルができて、得点能力があるので100パーセント取れる自信がある」と金メダルを宣言。坂本姉妹として、小原夫婦としての悲願に向けて、日登美が選手生活のラストスパートを切った。
 






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