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2011.11.13

【全日本大学選手権・特集】74kg級・高谷惣亮(拓大)

(文=増渕由気子)

 全日本大学選手権の74㎏級は、拓大の高谷惣亮主将が決勝で全日本学生選手権と同様、北村公平(早大)をストレートで下して、学生大会の有終の美を飾った。これで、同大会は史上5人目の4連覇、そして3年連続2冠王者となった。(写真はともに決勝)

 高谷は2007年の全日本選手権で京都・網野高3年ながら準優勝し、大学1年生で2008年北京五輪予選の最終トライアルに抜ってきされるなど、ルーキー時代からスター街道を走ってきた。1年から学生界では頭抜けた才能を見せつけ、数々のタイトルを総なめ。1年の全日本学生選手権は宮原崇(明大)に敗れて2位だったが、負けたのはその1試合だけ。その後の学生の大会は無敗で駆け抜けた(74㎏級)。

 今大会の組み合わせは、学生大会の最後にふさわしい歯ごたえのある組み合わせだった。準々決勝では葈澤謙(国士舘大)、準決勝では松本岬(日体大)と対戦。そして決勝では同郷(京都)の後輩、北村との決戦を制した。勝利したあと、派手に喜ぶ姿を見せなかったが、「(北村をはじめ、みんなが)自分の研究をしてクリンチに持ち込もうとしたりしてきた。その中で優勝できたのはうれしいです。今回は強い選手を全部倒しました」と満足そうに話した。

■タックルを軸とした戦法を貫いた

 大会のたびに決勝に上がってくる北村の闘志むき出しの気迫は、「すごい」と認める。だが、「どんなに研究してきても、負けそうだと思ったことはないです」と、高校時代から得意とする遠間からの飛び込みタックルで北村をねじ伏せ、チャンピオンとしての誇りを今大会も見せた。

 どんな相手と対戦しても相手に合わせず、常に自分のペースに持ち込んだ。それは「世界で勝つにはタックルしかないから」というポリシーがあったからだ。最大の武器、飛び込みタックルを大学4年間、常に磨き上げてきた。それでも、今大会の自己採点は「60点」と厳し目。「タックルを警戒しすぎている相手に、無理にタックルを決めようと相手の足ばかりを見てしまった。自分らしくない」と、目線の運びが悪かったことを反省した。

■二人の尊敬する拓大の先輩

 今シーズンは9月に全日本学生選手権で3連覇、10月の山口国体では念願のシニア初タイトルも手に入れ、学生最後の大会で4連覇と勢いに乗っている。「このパターン、去年の岡本先輩(佑士=グレコローマン66kg級)と一緒なんです」。岡本は学生最終シーズンで学生二冠、国体、そして全日本選手権を制し、飛ぶ鳥を落とす勢いで今年の世界選手権代表になった。ゲン(縁起)をかつぐにも最高な形で大会を終え、いよいよ12月の全日本選手権に乗り込む。

 また、拓大出身の同じ“タックラー”として高谷より前を走っているのは、フリースタイル66㎏級世界銀メダリストの米満達弘(自衛隊)。飛び込みタックルはもはや世界トップの武器になった。同じくタックルで世界進出を狙う高谷は、最近、米満のタックルのからくりに気づいた。「どうして、米満先輩のタックルが決まるのかわかったんです。今回の試合では出しませんでしたけど」と、新たなタックルを習得中のようだ。「学生のうちに、全日本チャンピオンになるのが目標。自分の力を出し切って、優勝したい」と、拓大シングレットで挑む最後の試合に気持ちを切り替えていた。

 







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