福田富昭会長は「選手村で日本選手が困ることは、和食が食べられないことと風呂がないこと。日本人は日本食と風呂があって落ち着く。入浴剤による香りがあるとないとでも違う」と、入浴と入浴剤が心身のリラックスにつながることを強調。五輪期間中に選手村のすぐそばにオープンするマルチサポートハウス内で、風呂の設置をお願いするという。
同社の古賀和則社長兼CEOは「ロンドン五輪の日本選手団を、入浴と入浴剤でサポートしたく、公式スポンサーとなった。レスリングは激しいスポーツなだけに、いかにリラックスするかが大切だと思う。温泉成分は疲労回復に役立つ」と、本協会をサポートする理由を説明した。
このあと、日本協会の強化委員でもある久木留毅・日本オリンピック委員会の情報・医・科学専門委員会情報戦略部門長らが、入浴が競技者にもたらす効果を対談形式で説明。入浴によって血流の促進、自律神経の活性化、特殊なプロテインの生成がうながされ、入浴剤がそれを促進するという。
バスクリン社は先月中旬に英国・バーミンガムで行われたトランポリンの世界選手権をサポート。男子団体で初優勝という結果につながっており、入浴の効果も一因と解説した。吉田沙保里選手(ALSOK)は「お風呂は大好き。疲れが取れる」と話し、伊調馨選手(ALSOK)は「人生で初めて入浴の指導を受けた。何度のお湯に何分入るかなどを意識するようになった」と言う。
出席選手の中でただ一人、海外遠征の際に風呂がなくても平気だったという米満達弘選手(自衛隊)は「入浴の指導を受けてからは、風呂なしでいられない体になった」と話した。
また、栄和人強化委員長(至学館大教)は「これまで風呂を強制したことはなかったが、これからは指導したい」と、新たな“強化方針”を示した。
バスクリン社は今後、入浴の指導や入浴剤の提供などを行う。