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2012.03.29

【全国高校選抜大会・特集】浦添工(沖縄)が初優勝! 真紅の優勝旗が沖縄へ

(文=池田安佑美、撮影=飯島隆)

優勝インタビューを受ける屋比久監督

 真紅の優勝旗が沖縄へ―! 東日本大震災の影響で2年ぶりの開催となった全国高校選抜大会の学校対抗戦で頂点に上り詰めたのは、日本最南端の沖縄県代表、浦添工だった。

 2010・11年と2年連続でインターハイ・ベスト4の浦添工には安定した力があった。「昨年も初優勝を狙っていた」(屋比久保監督)が、未曾有の大震災で大会は中止。今大会は2年越しの想いを爆発させるべく臨んだ大会だった。

 チーム構成は50㎏級から3階級が1年生(4月から2年生)、66㎏級から120㎏級が2年生(同3年生)。当然、ポイントゲッターとなるのは66㎏級の屋比久翔平、74㎏級の本村匠、84㎏級の与那覇竜太、120㎏級の宮国雄太の4人だ。

 初戦(2回戦)の大和広陵(奈良)戦は7-0。3回戦の鹿屋中央(鹿児島)は6-1、準々決勝の田布施農工(山口)は6-1、準決勝では岐南工(岐阜)5-2、決勝の花咲徳栄(埼玉)戦は4-3というスコアだったが、66㎏級からの4人は全勝という安定感を見せた。

■苦手意識が強い花咲徳栄を決勝で撃破!

 全国を制するために、避けて通れないのが春夏あわせて40回も優勝している霞ヶ浦(茨城)と、その霞ヶ浦に数度勝ったことがある花咲徳栄(埼玉)の2校だ。霞ヶ浦は花咲徳栄に敗れて今大会は上位進出ならなかったが、屋比久監督は「花咲徳栄さんとは、どうも相性が悪い」と警戒心を強めていた。

 試合が始まって、その予感は的中。50㎏級はわずか54秒でフォール負け。55㎏級はストレートで、60㎏級も2ピリオドともにテクニカルフォールによるストレート負け。決勝戦開始からわずか10分足らずで3敗し、絶体絶命となった。

“大将戦”で勝ってチームの勝利を決め、マット上で顔を覆った宮国

 だが、浦添工の勝利の方程式は揺らがなかった。66㎏級の屋比久がストレート勝ちで反撃ののろしを上げると、74㎏級の本村が投げ技を多用し、与那覇はローリングを武器に、ともに2-0で勝利。勝負は、120kg級の宮国に委ねられた。

 花咲徳栄の120kg級は、昨年のJOCジュニアオリンピックカップのカデット・フリースタイル100㎏級優勝で、今年2月の関東高校選抜大会で2連覇の山本晋也が対峙した。実績のある山本だが、宮国は落ち着いていた。「勝負が自分のところに来る心構えはできていた」と、丁度いい緊張感を持ってマットに上がった。

 遠間からのタックルを武器とする山本に対し、宮国は密着して山本の得意技を封印。第1ピリオドはクリンチで取られたが、第2ピリオド1分過ぎ、山本がラッシュして前に出たところをうまく返して3点。第3ピリオドはクリンチの優先権を生かして浦添工4勝目を手に入れた。

■地元インターハイが終わっても、消えなかった強さへの思い

 「インターハイのためにちびっ子を育てて、合宿でもディズニーランドでも、いつでも一緒だった。『島がぁ』(島の子供=地元の子)のみで全国制覇ができて本当にうれしいです。8月のインターハイでも優勝したいです」(屋比久監督)。 

インタビュー中に涙ぐんだ84kg級の与那覇

 2010年に沖縄インターハイが行われ、地元開催に「優勝」という花を添えるために大会の6年前から各競技で強化体制が敷かれた。レスリングも、屋比久監督が浦添工を中心として強化に取り組み、キッズクラブを開設して小学校、中学、高校と一貫強化を実行してきた。

 2010年のインターハイでは、その成果が実って学校対抗戦3位、個人戦でも準優勝者が出た。沖縄インターハイに向けた指定強化は終了したが、沖縄の熱は冷めることがなく、地元インターハイの2年後に悲願の全国制覇―。史上初の沖縄県勢による優勝で、また全国高校選抜の新たなる時代が始まった。

 







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