同55㎏級では双子の弟の進一(自衛隊)が五輪代表を決めており、日本レスリング界で初めて、双子のみならず兄弟での代表入りを果たした。
世界の舞台では1980年モスクワ五輪にアナトリー&セルゲイのベログラゾフの双子兄弟(ソ連)が出場し、ともに優勝したほか、1988年ソウル五輪でのデュアン&デニスのカズラスキー双子兄弟(米国)、ジム&ウィリアムのシャール双子兄弟が出場した例などがある。
湯元はプレーオフ・トーナメントの決勝で、勝ち上がってきた前田翔吾(至学館大職)と対戦し、1-2で敗れたものの、再試合で前田を2-0のストレートで破った。
最終選考プレーオフは、変則トーナメントで行われた。1回戦で昨年の全日本選手権3位の高塚紀行(自衛隊)と同2位の石田智嗣(早大クラブ)が対戦し、高塚が2-0でで勝って2回戦へ。高塚と全日本王者の前田翔吾(至学館大職)との対戦は、前田が2-1で勝ち、決勝で世界3位の湯元に挑んだ。前田は湯元を第1ピリオド、一本背負いから崩して1ポイントを奪い、残りの2ピリオドはクリンチからの攻撃を分け合って2-1。前田がトーナメントで優勝した。
プレーオフの規定により、前田と湯元が再戦。湯元は第1ピリオドを0-0からのクリンチの攻撃で勝ち、第2ピリオドは終盤にタックルを決め、2-0(1-0,1-0)で勝って五輪キップを手にした。
結果は以下のとおり。(撮影=矢吹建夫)
▼再プレーオフ
湯元健一(ALSOK)○[2-0(1-0=2:04,2-0)]●前田翔吾(至学館大職)
▼プレーオフ決勝
前田翔吾(至学館大職)○[2-1(1-0,0-3=2:01,1-0=2:04)]●湯元健一(ALSOK)
▼プレーオフ2回戦
前田翔吾(至学館大職)○[2-1(0-2,3-0,1-0=2:07)]●高塚紀行(自衛隊)
▼プレーオフ1回戦
高塚紀行(自衛隊)○[2-0(3-0,1C-1)]●石田智嗣(ワセダクラブ)
【日本代表決定方法】2011年世界選手権で五輪出場権を獲得した階級に関しては、下記の規定で日本代表が争われた。 ・世界選手権でメダル獲得選手に2ポイント(湯元が該当) |