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2013.01.20

【特集】五輪王者の存在は「大きなチャンスだと思っています」…男子フリースタイル66kg級・石田智嗣(警視庁)

(文・練習撮影=保高幸子)

 昨年12月に行われた全日本選手権で、ロンドン五輪で金メダルを獲得した米満達弘(自衛隊)の階級である男子フリースタイル66kg級は、米満不在の中で60kg級から階級を上げて国体を制した石田智嗣(警視庁=右写真)が初優勝。米満への“第一挑戦者”の地位を獲得した。

■リオデジャネイロ五輪へ向けて、いち早くスタートしたが…

 石田は昨年4月、ロンドン五輪出場をかけて60kg級の日本代表決定プレーオフに臨んだが、惜敗。気持ちを切り替え、6月の全日本選抜選手権には以前の階級だった66kg級に戻して出場し、いち早く2016年リオデジャネイロ五輪へ向けてのスタートを切った。しかし、決勝で大学の後輩の田中幸太郎(早大)に敗れた。

 実は、大きなハンディがあった。4月に警視庁に入庁し、10月まで所属した警察学校では、入校して1ヶ月間はレスリングの練習は全くできなかった。「練習できていないということで、強気になれませんでした。人より何か秀でているわけではないので、練習が自信につながるんです。だから試合は不安な気持ちでした」と、ふだんの力は出せなかったという。

 その後も、フリースタイル55kg級の稲葉泰弘や同84kg級の松本真也ら警視庁所属選手につきそってもらいながら、学校から近い国士舘大で週3回、1時間ほど練習できれば良い方だった。

■「練習はうそをつかない」を実感した警察学校卒業後

 警察学校では、教官からはクラスの体力作りを任された。石田のいたクラスは、入校時に行われた体力測定のクラス別平均で下から2番目だったという。それを、卒業時の体力測定ではダントツの1位にするほど成果をだした。そのほか、クラス対抗で行われたリレーや綱引きなどでも優勝したという。

 「授業が終わって夕食までの間、毎日1時間ほどですがサーキットトレーニングや走り込みで鍛えました。全員の体力を上げることができたので、それが高く評価されたようです」。練習が必ず結果につながるという信念も形になった。

 警察学校を卒業し、本格的な練習を再開した石田にとって、昨年12月の全日本選手権は自信を持って臨むことができ、それが優勝につながったと思っている。4試合で失ポイント2点の快勝。優勝コメントでは、コーチ陣のサポートへの感謝を述べつつ、「少しずつ体も引き締まって、今になって練習はうそをつかないということを実感している毎日です」と話した。

■6月の全日本選抜選手権で、米満達弘のが城へ挑戦か

 全日本チャンピオンの肩書きがついた石田は「正月に地元に帰った時、両親や地元のたくさんの人に祝われてうれしかったけれど、自分が日本のトップとは思っていません」と、勝ってかぶとの緒を締める。

「実力がありません。まだ弱い。リオデジャネイロを目指してはいるけど、まだ実績がない。上のステージに向かって、一つ一つ実力をつけていかなければ。まずは今年の世界選手権に出場したい。金メダルを目指しつつ、自分の実力を試したいです」。

 66kg級で闘う限りは、五輪2連覇を目指す米満達弘との対戦は避けて通れない。しかし、「米満さんという世界一の選手が日本の同じ階級にいるということは、チャンスだと思っています。このチャンスを無駄にしないように練習に取り組んでいきたい」と前向きにとらえている。

 世界選手権代表を決める6月の全日本選抜選手権は、米満復帰の可能性が高く、それまでに課題をクリアしたい。「これからは日本代表の立場に見合ったレスリングができるように練習します」と話す石田。22日からはロシアへ遠征し(ヤリギン国際大会出場)、初めて世界の66kg級を肌で感じることになる。

 この冬、石田がどう成長するか。66kg級の勢力図が大きく変わるかもしれない。

 







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