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2013.09.27

【特集】ハンガリーで成長続ける世界カデット王者、山本アーセン(バビロン高)


(文=池田安佑美、撮影=保高幸子)

 元世界女王の山本美憂さんの長男で、今年の世界カデット選手(セルビア)の男子グレコローマン69kg級で優勝した山本アーセン(ハンガリー・バビロン高)が、ハンガリーで行われていた世界選手権に補助員として参加した。「世界選手権を見るのは初めて。(参加選手たちは)目指している人であり、超えないといけない人」と、世界トップレベルの選手たちの試合に感激すると同時に、ライバル意識を燃やした。

 アーセンは4年前にハンガリーへ単身渡欧。現在は地元のスポーツ学校のバビロン高校に通い、主にクラブチームで練習を積んでいる。「ハンガリー語もほぼ問題ないレベル」とのことで、今回も流ちょうなハンガリー語を使って補助員として大会運営に一役かっていた。

■世界カデット選手権で初出場初優勝の快挙

 8月中旬の世界カデット選手権に向け、アーセンの気持ちは高ぶっていた。「今までで一番努力しました。限界を超えたなと思ったくらいです。これで負けても悔いがないくらい練習しました」と、初の世界一のチャンスを生かそうと練習に励んだ。

 会場のセルビアまではは車で移動。現地入りしてから日本チームと合流し、日の丸がついた代表ウェアに着替えた。

 日本では、高校までフリースタイル中心の練習を積むのが普通、これまでの世界ジュニア選手権や世界カデット選手権でのグレコローマンの成績は、フリースタイルと比べて見劣りしている。だが今大会は、54kg級で小柳和也(山梨・韮崎工)が日本グレコローマン史上初の金メダルを獲得。日本の若年層のグレコローマンの成長を示した。

 アーセンは「小柳先輩に続いて、ボクも勝たないといけないと思いました。先輩にめっちゃパワーもらいました」と、現地で合流したばかりのチームメートの活躍に感化。「日の丸が上がって国歌が流れた時、やばいもの(貴重なもの)を見せてもらったから、次はボクの番だと思いました」と、ハンガリー在住とはいえ日本代表としての誇りがアーセンのやる気を倍増させた。

 試合はほぼ快勝だったが、決勝の序盤は苦戦した。「きつかったけど、みんなの応援のおかげで勝てた」と振り返る。コーションで1点を失い、少し弱気になった時だった。日本チームとハンガリー・チームがこぞってアーセンを応援。「アーセンコールが聞こえてきて、負けられないと思いました。2つの国から、普通より倍の応援をしてくれて最高でした。この応援がなかったら、(勝利を)あきらめていたかも」と、応援を力にして“世界チャンピオン”の肩書を手に入れた。

 「お母さんが一番喜んでくれました。お母さんに『私の息子は世界チャンピオンなのよ』って言わせたいと思っていたから。ちょっと親孝行できたかな」と、最近半年以上会っていない母親に、この勝利をプレゼントする形となった。

■日本の大学に進学はあるのか !?

 カデットの年代を最高の形で締めくくったアーセンは、来年はジュニアに参戦する。「来年もJOC杯に出て、世界ジュニア選手権を目指します」と、来年4月の帰国を口にした。

 気になるのは今後の進路。「まだ、正式には決めてていませんが、ハンガリーにいたいです。ボクはこっちの環境が合っていると思う。まだ分かりませんが…」と、高校卒業後もハンガリーでレスリングを続ける希望の方が強い。

その最大の理由は、「日本にいるより、世界の幅が広がります」と、隣国に飛行機を使わなくても簡単にアクセスできるメリットを挙げた。その場合は、日本代表権は、JOC杯のように、その都度帰国して予選大会に出る方式となるだろう。

 アーセンに期待する日本の関係者が心配している“あの点”については、きっぱりと明言した。「国籍は絶対に日本のままです。僕は日本で生まれたことを誇りに思っています」と、日本代表選手として国際試合に出ることを約束。世界選手権については、「あと2、3年後には出たいです」と大きな夢を掲げた。


 







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