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2013.12.25

【全日本選手権・特集】慎重だった決勝戦、その理由は?…女子55kg級・吉田沙保里(ALSOK)

(文=渋谷淳、撮影=矢吹建夫)

女子55kg級の優勝は、オリンピック3連覇の吉田沙保里(ALSOK)。女王が指定席に腰を下ろしたのだから、“ニュース”とは言えないが、本人の目に見える景色は、以前とは少し違っていたのかもしれない。

 ポスト吉田の一番手と目されていたのは20歳の村田夏南子(日大)。吉田自身も「決勝の相手は村田選手と予想していた」が、吉田への挑戦権を得たのは準決勝で村田との激戦を制した浜田千穂(日体大)だった。

 その浜田との決勝を、吉田は慎重に闘った。奪ったポイントは4点で失点が1。危ないシーンはほとんどなかったとはいえ、快勝と呼べる内容ではなかった。「失敗は許されないという気持ちで硬くなってしまったところはある」とは本人の弁。

理由はそれだけではないようだ。村田と浜田の準決勝を見た吉田は「若い子が伸びている」と率直に感じたという。この日は「追われる立場は苦しい」ともコメントした。追われる立場-。「若い子は伸びる一方だけど、私は現状維持で、少しでも進化できれば」という分析はその通りだろう。「失敗してもいいという気持ちで向かってこられるのは怖い」(吉田)というプレッシャーも感じている。

 日本スポーツ界の顔とも言える吉田の仕事はレスリング活動だけにとどまらない。テレビに出演してオリンピックをアピールすることもあれば、全国各地に出かけてレスリングの普及に努めることもある。レスリングに没頭し、打倒吉田に燃える若い選手とは置かれている立場も大きく違う。

 ただし、やや弱気にも聞こえる発言は、現状を直視し、これからやるべきことを見極める冷静な姿勢の裏返しではないだろうか。「勝っている限りはやめられない」。

 オリンピック3連覇のプライドと、レスリング界の顔という責任感が吉田の強みとなっている。吉田の進撃は、まだまだ続きそうだ。


 







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