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2014.01.23

【特集】2020年東京でオリンピック2連覇を果たす!…男子フリースタイル57kg級・高橋侑希(山梨学院大)

(文・撮影=保高幸子)

2004年アテネ(田南部力=銅メダル)、2008年北京(松永共広=銀メダル)、そして2012年ロンドン五輪(湯元進一=銅メダル)と、オリンピックでメダルを取り続けてきた男子フリースタイル最軽量級。今年から57kg級となったその階級で、台風の目となりそうなのが高校時代(三重・いなべ総合学園)から数々の記録をつくってきた高橋侑希(山梨学院大)だ。

 高校時代の快進撃は、1年生インターハイ王者、インターハイ3連覇、2010年ユース・オリンピック金メダルなど枚挙にいとまがない。大学に進んでからも、1年生で国体と全日本大学選手権を制すなど勢いは衰えていない。

■昨年、全日本王者の森下に2度土をつけた

 今年度は、大学2年生で全日本選抜選手権2位と全日本選手権3位。確実に全日本王者を奪う力がついてきた。2歳上で高校時代からライバル関係にある森下史崇(日体大)は全日本選手権で2連覇を達成したが、その森下に昨年、東日本学生リーグ戦と全日本選抜選手権に2度にわたって土をつけている。1年間の対戦成績では2勝3敗と負け越してしまったが、全日本チャンピオンにきん差で迫っていると言っても過言ではないだろう。

 2010年世界選手権3位の実力を持つベテランの稲葉泰弘(警視庁)にはまだ勝ったことがないが、森下が稲葉超えを果たしており、高橋の実力も接近しているはず。湯元進一(自衛隊)の復帰の可能性も残されており、2016年リオデジャネイロ・オリンピックに向けた代表争いは混沌の様相を呈してきた。

オリンピックが「夢」ではなく「具体的な目標」に変わったのは、ロンドンへの挑戦の時からだ。同オリンピック出場はかなわなかったが、リオデジャネイロは早いうちに代表を射程距離に入れたい。運よく、大きなモチベーションができた。

 昨年9月、高橋の胸は高鳴った。2020年東京オリンピックの開催決定だ。「寮で発表のテレビ中継をずっと見ていました。気持ちが盛り上がりました。リオデジャネイロと東京、2連覇したい!」。東京オリンピックが行われる2020年は27歳になる。「年齢的にピークで2020東京を迎えられる」と高橋。2020東京の決定が、リオデジャネイロ・オリンピックへの大きなモチベーションとなった。

 また、「いなべ総合は、いわば小中高一貫教育で、みんなが一緒に練習しています。下の子が自分を目標にして応援してくれていて、彼らの見本になりたいです。強いだけではなく、レスリングが強いと人間としても立派になれるんだというところを見せられるようになりたい」と話す。

 世界一強くなり、後輩たちの兄貴分として道しるべになりたい。この気持ちがある限り、高橋のモチベーションが下がることはあるまい。

■イラン遠征で世界王者と手合わせか?

 若い高橋にとって、今足りないのは海外での経験だろう。これまでシニアで出場した国際大会はわずか1回で、昨年1月のデーブ・シュルツ国際大会(米国)のみ。しかし来月、全日本チームのイラン遠征への参加が決まった。6~7日にテヘランで行われる国際大会「タクティ・カップ」に出場し、その後の合宿に参加する。

イランには昨年の世界選手権55kg級王者となったハッサン・ラヒミがいる。ラヒミが大会に出場するかどうかは定かではないが、練習で手合わせする可能性は高い。高橋は喜びを押さえ切れない様子で「ワクワクしています。チャンピオンや他の外国人選手たちの日本人とは違うレスリングを経験できる。楽しみです。勝ちたいというよりも、いろんなことを吸収したい気持ちです」と抱負を語る。

 世界チャンピオンとの手合わせは高橋にとってこれ以上ないチャンスだ。ハングリーな高橋がイラン遠征で遂げる変化は大きいだろう。

 今年はライバル森下が卒業し、学生の大会では敵なしか、という声もある。一方で、超高校級ホープの樋口黎(茨城・霞ヶ浦高校~日体大進学予定)が加入し、いい刺激となる。「油断せず、毎回これが最後というプレッシャーを持って試合します。学生の大会はすべて優勝を目指していきます。全日本では、6月の全日本選抜選手権で代表が決まるので、必ず結果を残してチャンスをつかむつもりです」。

 57kg級への変更も「よかった」と高橋。「イラン遠征に呼んでいただいたことと、階級区分変更と、自分にとっていいことが続いている」。これが追い風となるか。イランで世界トップレベルにもまれる修行から戻ってきた時の成長ぶりを楽しみにしたい。


 







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