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2014.05.22

【特集】早大運動部の新たな出発! レスリング部はリーグ戦Vで花を添えられるか?

《5・27~29東日本学生リーグ戦大会要項》《対戦表・試合日程》
※リーグ戦は全試合、インターネット生中継される予定です


 昨年の東日本学生リーグ戦で山梨学院大に敗れて2位だった早大。半年後の全日本大学選手権の大学対抗得点では山梨学院大に6.5点差をつけて優勝。見事にリベンジを果たした。今年度は、春秋の二冠が目標で、まずリーグ戦での覇権奪還に挑む。

 昨年の主力から74kg級の北村公平(現阪神酒販)と96kg級の大坂昂(現三菱電機)の日本トップ級の実力を持つ2人が抜けた。太田拓弥コーチは、4月のアジア選手権(カザフスタン)で銅メダルを獲得した74kg級の保坂健主将(4年)とグレコローマン全日本王者の125kg級の前川勝利(3年)の二枚看板に加え、65kg級での起用を考えている桑原諒(4年)が力をつけており、「大きな戦力ダウンはない」と言い切る。

■大会初日に日体大と大一番!

 昨年の学生二冠王でアジア3位にまで躍進した保坂主将の存在は、チームを刺激している。太田コーチは「保坂はいい意味での非科学的な選手。けがしても簡単には練習をセーブしないなどの姿勢があり、その姿勢にどの選手もついて行っている」と説明。主将の練習熱心さがチームを盛り上げているという。

 保坂、桑原、前川で3勝を取り、残る4階級で最低1勝をもくろむ。57kg級か61kg級での起用が予想される黒沢翔(3年)は、昨年の全日本大学選手権60kg級で、優勝した鴨井正和(山梨学院大)相手にリードしながら当時の「3点2度でテクニカルフォール」のルールで負けるなど接戦の内容で、「学生トップレベルの実力」と評価。

 70kg級には昨年のJOC杯ジュニアで66kg級を制している田胡島伸佳(2年)か、全日本大学グレコローマン選手権66kg級を制している中井堅太(4年)を使い、86kg級には1年生の時からリーグ戦に出場し、最近力をつけている86kg級の洞口幸雄(3年)に期待できる。

 「初日の日体大戦ですね。決勝だと思って闘います」。今年はリーグ戦のシステムが変わり、まず4チームによる予備リーグが行われ、1位のチームが決勝リーグへ進出。予備リーグで2位になってしまうと、最高で5位にしかなれない。まず初日の第3試合に照準を合わせねばならない。

 今年の日体大は、全日本選手権60kg級2位の川瀬克祥、2年連続でJOC杯ジュニア60kg級を制した中田陽、74kg級で東日本学生秋季新人選手権の両スタイルを制した中村百次郎と軽中量級に好選手がそろう。高校三冠王者の樋口黎(茨城・霞ヶ浦高卒)の加入で上級生が刺激され、全体の底上げがなされていることが予想され、手ごわい存在。

 70kg級までの4階級を2勝2敗で乗り切れば、74kg級の保坂と125kg級の前川の白星を加えて早大に勝利が来るが、太田コーチは「日体大には74kg級と86kg級にもJOC杯でいい成績を残している選手がいる(74kg級=松坂誠應、86kg級=桜庭正義)。あなどれない」と見ている。黒澤、中井または多胡島、桑原の奮戦で、70kg級までに3勝をマークして勝利を近づけたいところだ。

■「監督を胴上げし、都の西北を歌いたい」…保坂健主将

 決勝リーグへ入ったら入ったで、軽量級と重量級で盤石の強さを持つデフェンディング王者の山梨学院大の壁がある。しかし、「(山梨学院大と同ブロックの)専大も強いでしょう」と、昨年のリベンジ戦が必ず実現するとは思っていない。「リーグ戦は独特のムードの中で行われます。緊張して力を出せない選手も出てくる」と話し、団体戦では何が起こるか分からないと考えている。

 保坂主将は「日頃やっていたことをやるだけ。コンディションを整えて臨みたい」と静かな闘志。2011年に早大が優勝した時は1年生で、決勝戦には出場していなかった。「次は自分が試合に出て優勝し、監督を胴上げし、都の西北を歌いたいと思っていた」という。その思いは2年間、達成できなかった。「今年こそはやりたい。日体大に勝たないと優勝はない」と、初日からのフル回転を宣言。

 先陣を切る黒澤は、昨年は60kg級で闘ったが、今年は57kg級に出場してチームに貢献する予定。「減量はきついけど、優勝したいので頑張る」と気合を入れる。昨年は上位チームの大学相手には勝てなかった。「3年生になり、チームを引っ張らないとならない。今年は全勝が目標」と言う。

 中量級を支えるべく桑原は「健(保坂)がアジア3位になったことで、力が湧いてくるようなものがチーム全体にある」と言う。昨年から重量級2選手が抜けた戦力ダウンを自分たち中量級で補いたいと考えており、「自分がポイントゲッターとしてチームに貢献します」ときっぱり。

■学業の成績が下がれば、対外試合の出場停止もある早大

 早大にとって、今年はどの運動部にとっても新たなスタートの年でもある。4月7日、早大は「早稲田アスリートプログラム(WAP)」を発表。44の運動部に所属する約2400人の全部員に対し、大学が求める最低単位を2学期連続で下回った場合は練習の制限や対外試合の出場停止などが課せられることになった。

 早大は2000年からスポーツ推薦制度が変わり、スポーツの実績があれば、書類と面接のみで入学できるようになった。この制度によって低迷していた早大スポーツは復活したが、部員の学力の低下に大学関係者が顔をしかめることも起きてきた。

 「I am a boy」の過去形を書けなかったり、1ドル札を見て「オネ・ドラー(one dollar)」と読んだなど、話半分としても大学生とは呼べない学力の学生が出てきたことも事実。これまでにも単位取得状況がよくない部は推薦の枠を減らすなどの“罰”を実行してきたが、一歩進んだ対処を実行。「ただ勝てばいいのではない。学生の人間的成長を促すという最終目標を掲げ、大学スポーツに一石を投じたい」(川口浩・競技スポーツセンター所長=毎日新聞より)と、新たな方向を目指し始めている。

 レスリング部でも授業の出席は絶対。練習で選手がそろわないことも少なくないが、太田コーチは「文武両道というワセダのプライドを持ってほしい。頭も成長しないと競技でも上にいけない」と話し、単位の取得にも力を入れさせる。練習に参加できない選手は自主トレなど工夫して乗り切らせようとしている。

 大学スポーツをけん引してきた早大の新たな挑戦に、レスリング部はこたえられるか。注目される早大の今シーズンだ。


 







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