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2014.07.11

【全日本社会人選手権・特集】アルバイト生活でレスリングにかける! 元学生王者の泉武志(愛媛県協会)

(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)

 バイト生活をしてでもオリンピックを目指したい! 全日本社会人選手権の男子グレコローマン75kg級は、昨年66kg級王者の泉武志(愛媛県協会)が決勝で元74kg級全日本王者の田村和男(ワセダクラブ)を破って連覇した。圧巻の2連覇でも「決勝戦では先に4点を取られてしまった。出だしが課題だ」と反省点を洗い出すなど、意識の高さを見せた。

 昨年はNYACホリデー国際オープン大会(米国)の66kg級で優勝している。今大会も制したことで同大会の遠征メンバーにも選ばれることになり、連覇を目指す泉だが、深刻な悩みがあった。「今、スポンサーについてもらっていないので、アメリカ遠征の自己負担が払えないかもしれない」。現在は愛媛県レスリング協会所属で試合に出ていることを吐露した。

 日体大時代は、大学4年で60kg級の学生王者に登り詰めた実力者。だが「将来や就職のことを考えた結果だったし、芸能界などに興味があった」と、“プロ”のレスリング選手になることは断念。派遣社員としてテレビ局のADとして働き始めた。泉の高校時代の恩師である栗本秀樹監督は、「泉はガンコ。大学卒業後もレスリングを続けてほしかったのに、こうと決めたら何を言ってもきかなかった」と振り返る。

■ロンドン・オリンピックを見て、レスリングへの思いが再燃!

 社会人1年目の2012年はロンドン・オリンピックの年。日体大で練習していたグレコローマンの選手では、松本隆太郎(群馬ヤクルト販売)、斎川哲克(現足利工高教)、長谷川恒平(現青学大職)が出場し、松本が銅メダルを獲得するなど活躍した。

 それを見た泉は、自分自身で断ち切ったはずなのに、レスリングの情熱が再燃した。「もう一度、レスリングをやりたい。そしてオリンピックに行くんだ」と決意し、仕事を辞めて愛媛に帰郷。その際、本州から四国に渡るとき以外は、トレーニングとして地力で走って帰った。2012年12月のことだった―。

 約3か月間、母校・八幡浜工高校で一から鍛え直した後、「日体大で練習しないと強くならない」と再び上京。昨年の春から歯医者のアシスタント業務をしながら、午後の日体大の練習に参加するという日々を送った。その環境の中で昨年の社会人選手権を制覇した。

 「その後、スポンサーがついたのですが、契約が終了したので、今は、スポンサーを探しながら、カラオケでバイトして、レスリングを続けています」とレスリング愛をのぞかせる。

 バイト生活でレスリングを続けていることについては「後悔はしていない。社会に出ていろいろ吸収できた」ときっぱり。現在は日体大で練習し、全日本合宿にも参加しているので満足のいく練習量が積めている。「自分のスタイルは、ガツガツ前に出るレスリングです。全日本選手権でも、昨年の世界選手権代表である音泉と対戦し、そこまで差がなかったと思う。今年の全日本選手権で勝ちに行きたい」と話し、“シンデレラストーリー”の青写真を描いた。


 







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