日本レスリング協会公式サイト
JAPAN WRESTLING FEDERATION
日本レスリング協会公式サイト
2014.12.25

【全日本選手権・特集】初戦で負傷のアクシデントを乗り越える…男子フリースタイル74kg級・高谷惣亮(ALSOK)

(文=渋谷淳、撮影=矢吹建夫)

 男子フリースタイル74kg級の高谷惣亮(ALSOK)が世界選手権2位の実力を発揮し、全日本選手権4連覇を達成。最優秀選手に与えられる天皇杯を受賞した。結果だけ見れば当然のように思えるが、アクシデントを乗り越えての優勝だった。

 高谷が大きな危機に見舞われたのは初戦となった2回戦の小山内光将(日大)戦だった。試合はテクニカルフォール勝ちしたものの、左ひざの内側じん帯を断裂するという大けがを負ってしまう。高谷は「足をさわられたのがいけなかった」と振り返ったが、いずれにしても欠場は不可避の状況と思われた。

 それでも「自分の気持ちをコントロールするのが得意」と言うだけあって、この窮地でも冷静に行動した。まずはアイシングをして患部のダメージを和らげ、ひざがどれくらい動くかを細かく確かめた。「これくらい動くなら、何とかなる」と判断すると、痛み止めを飲んで出場を決意。

 得意のタックルに入れないというハンディをものともせず、カウンター中心のレスリングで準決勝の浅井翼(拓大)戦を9-0で勝利。決勝はアジア大会の代表となって勢いのある嶋田大育(国士舘大)に先制されながらも、「(先にポイントを)取られると思っていたのでまったく焦りはなかった」という強心臓ぶり。言葉通り逆転して優勝をさらった。

■弟のモチベーションを下げさせないためにも出場を決めた

 リオデジャネイロ・オリンピックの第1次選考会と銘打っているものの、優勝できなかったからといってオリンピックへの道が閉ざされるわけではない。棄権が常識的な判断と思われるが、高谷の考えは違った。

 「棄権しようかと思ったけど、弟(大地=フリースタイル65kg級)が3日前にけがをして棄権し、自分も棄権したら、あいつのモチベーションが落ちると思った。兄弟ということで注目してもらえるし、兄弟でメダルを獲るという夢がありますから」

 弟への思いに加え、世界選手権後の大会で負けられないという気持ちも強かった。昨年の世界選手権で7位入賞を果たしながら、直後の東京国体では決勝敗退という不覚を味わった。その経験が糧になっていた。「おごることなくベストを尽くそう」。1年前の経験があるから、銀メダルを獲得したあとの全日本選手権は絶対に落とすことができなかった。

 74kg級のエースとして君臨する高谷は、2008年の北京オリンピックは、全日本選手権で2位となって最終予選出場のチャンスをもらいながら落とし、続くロンドン・オリンピックは出場しながら初戦敗退に終わった。2016年のリオデジャネイロ・オリンピックは、当然、メダルを獲る大会だと決めている。

 「(今年の)世界選手権でメダルを獲って、リオデジャネイロに行きたいと思う」。オリンピック出場は回り道をせずに決めるつもりだ。


 







JWF WRESTLERS DATABASE 日本レスリング協会 選手&大会データベース

年別ニュース一覧

サイト内検索


【報道】取材申請について
-------------

● 間違いはご指摘ください
本ホームページ上に掲載されている記録や人名に誤りがある場合は、遠慮なくご指摘ください。調査のうえ善処いたします。 記録は、一度間違うと、後世まで間違ったまま伝わります。正確な記録を残すためにも、ご協力ください。


アスリートの盗撮、写真・動画の悪用、悪質なSNSの投稿は卑劣な行為です。
BIG、totoのご購入はこちら

SPORTS PHARMACIST

JADA HOMEPAGE

フェアプレイで日本を元気に