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2014.12.30

【全日本選手権・特集】泥臭くとも勝つことにこだわって初優勝…男子フリースタイル61kg級・鴨居正和(山梨学院大)

(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)

 国内では学生最後となる大会で全日本の頂点に立った! 全日本選手権の男子フリースタイル61kg級は、今年の世界選手権(ウズベキスタン)代表の鴨居正和(山梨学院大)が決勝で昨年60kg級3位の阿部宏隆(国士舘大)を2-2のビックポイント差で勝って大会初優勝を遂げた。

 「自分の性格はネガティブです」と断言する自称“小心者”。「試合前、高田先生(裕司=監督)や小幡(邦彦)コーチに『優勝しろ、しろ』と言われて、正直優勝できるか不安だった」と、周囲が優勝する実力があると評価しても、前向きになれず不安な気持ちでマットに上がった。

 ネガティブ思考には理由があった。「9月の世界選手権以降、まったく調子が上がらなくて、自分の体じゃないのではと思うほどだった」と、本来の調子を取り戻せないまま本番を迎えたからだ。確かに、初戦からカウンター攻撃や相手のミスでポイントを得るなど、もどかしい試合が続いた。

 初戦の原口遼(鹿児島・樟南高職)戦は4-3と辛勝。2回戦の相手はJOCエリートアカデミー所属の乙黒圭祐(東京・帝京高)。高校生を相手に快勝して初優勝に勢いをつけたいところだったが、先制点を許して追いかける展開に。後半に巻き返して10-5と勝利するが、“泥試合”をしてしまった。

 学生で不動の王者となり、日本代表の肩書までつけた鴨居にとっては屈辱と言える内容だ。だが、「調子が悪く動けないなら、泥臭く勝つというのが自分のレスリングだ」と、どんな形でもいいから勝利にこだわった。

 決勝の阿部戦でも、場外際で相手が仕掛けてきたところをカウンターでバックを取って2点。後半にコーションを2度受けて2-2と同点に追いつかれるものの、最初のゴービハインドによる2点が効き、ビッグポイント差で優勝の栄冠を手に入れた。

 調子が上がらない中、「本来大学4年生は、11月の全日本大学選手権で引退し、その後の練習は任意参加になる。けれど、自分は今までと変わらず、朝練習、午後練習と取り組んできた」と、できる限りの努力をして臨んだのが勝利への執念につながった。

 「日本一の称号を手に入れた。非オリンピック階級なのでレベルは落ちると思うけど、その中ででも一番になれてよかった」と、学生の有終の美を飾れたことに安堵の表情を浮かべた。

 卒業後の進路について、以前は「続けないかもしれない」と話していたが、自衛隊に進んで競技を続けることが濃厚となった。「正式に決まってないのですが、進むことになったら、自衛隊の名を汚さないようにしっかりと頑張りたい」と抱負を語った。


 







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