日本レスリング協会公式サイト
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2015.01.01

【新春特別対談・棚橋弘至-高谷惣亮(1)】目立とう! 輝こう! キング・オブ・スポーツ、レスリング!

プロアマ両レスリング界で輝きを放つ「100年に1人の逸材」2人が対談!

 野球やサッカーに比べて注目度が低いと言われていたレスリング。しかし、2012年ロンドン・オリンピックでは、日本が獲得した7個の金メダルのうち4個がレスリングという大活躍。その1人の吉田沙保里選手(ALSOK)がレスリング選手初の国民栄誉賞を受賞するなど、以前よりお茶の間にレスリングが広がりつつある。

 リオデジャネイロ・オリンピックへ向けての熱が高まる2015年は、レスリングがさらに世間に浸透していくことが予想される。

 筆頭としての活躍が期待され、自他ともに“目立ちたがり屋”と認める世界選手権銀メダリストの高谷惣亮選手(ALSOK)が、新日本プロレスの押しも押されもせぬエースとして力強い輝きを放っている棚橋弘至選手(立命館大レスリング部OB)と初顔合わせ。IWGP王者として、東京ドーム大会では数万人の観客を魅了して大声援を受けるスターに、“輝き方”を伝授してもらった。

 目立とう! 輝こう! キング・オブ・スポーツ、レスリング!(司会=増渕由気子、樋口郁夫)


 ――よろしくお願いします!

 棚橋 こちらこそ、どうぞよろしく。高谷選手は、おいくつになりますか?

 高谷 今年で25歳になります。2年前のロンドン・オリンピックには、チーム最年少で出場しましたが、1回戦で負けてしまい、目立つことができませんでした。2年後のリオデジャネイロ・オリンピックでは、金メダルを獲って目立とうと思っています。去年の世界選手権では銀メダルを取ることができました。

 棚橋 25歳! 若いですね。僕がやっているプロレスと高谷選手がやっているレスリングは、同じ“レスリング”でも違う部分が大きいです。プロレスは、場が盛り上がったらオッケーな時もあるのですが、レスリングは結果が伴わなければいけないですよね。高谷選手が「レスリングは結果が一番大事」と思って、リオデジャネイロ・オリンピックで金メダルを目指すことは、とてもいいことだと思います。 

 プロレスは、どんなに頑張ってもお昼のニュースには取り上げられないです。でも、レスリングは吉田沙保里選手や浜口京子選手など女子レスリングが注目されていて、活躍して結果が出たときは、民放からNHKまで地上波のテレビで報じられ、一般新聞でも大々的に扱われる。一気に有名になる可能性は十分にあります。

 プロレスラーの僕も、アマチュアのレスリングの社会的地位が上がってほしいです。同じ“レスラー”として、うまく情報を交換できたらいいなと思っています。

 高谷 僕は、実はプロレスを拝見する機会はあまりありませんでした。でも、プロレス好きな後輩がいて、ビデオを見せてもらう機会がありました。そうしたら、派手な技があって、あまりプロレスを見ていなかった僕でも、「かっこいい!」と思いました。

1月4日の東京ドーム大会に注目!

 棚橋選手は1月4日の東京ドーム大会で、オカダ・カズチカ選手相手にIWGPヘビー級王座の防衛戦に臨みます。
 大観衆を相手に、力強く輝く棚橋選手の姿をぜひ、ご覧下さい。チケットは残りわずか。
 テレビ中継は、スカパーで4日(日)午後4時~10時に生中継、テレビ朝日で4日(日)深夜1時35分~2時35分=日付は5日。ネットLIVE配信もあります。(クリック)

 棚橋 そう言ってもらえて、とてもうれしいです。プロレスはすごく分かりやすい競技なんですよね。たたいても蹴ってもいい。ルールをあまり知らなくても、どっちが攻めて、どっちがやられているのかが分かりやすいのです。アマチュアのレスリングを観戦するとなると、何の技で何ポイントが入るのか分かりにくい面がありますよね。

 高谷 レスリングは一昨年(2013年)に大幅なルール改正があったばかりで、細かなルールは選手自身も分かってない時があります。

 棚橋 確か2分3ピリオド制ですよね。僕が立命館大でやっていた時(1995~98年)はピリオド制ではありませんでした。

 ――ピリオド制のルールが廃止されて、また3分2ピリオドの合計ポイントを競うルールに戻ったんですよ(笑)。

 棚橋 えっ、そうなんですか。またルール変わったんですね。けっこう頻繁にルール改正されるものなのですか?

 高谷 細かな部分はかなり頻繁に変わっています。2013年にレスリングのオリンピックからの除外騒動がありまして、除外候補になった理由に「観ていて面白くない」という評価があったんです。面白くするにはどうしたらいいのか、ということで、攻撃できるルールに変更になった経緯があります。ピリオド制は、どうしても守る闘いになってしまうのです。

 棚橋 アグレッシブに競技を見せられるようになったわけですね。見る側を意識したルールだと面白さも増したのではないですか? 僕は派手な大技とフォール勝ちが見たいですね。

■「レスリングは、結果を残して初めてパフォーマンスができるという厳しさがある」…棚橋弘至

 ――新日本プロレスでは毎年1月4日に東京ドームでビッグマッチがありますよね。棚橋選手が最初に東京ドームの花道を歩いたときは、どんな気分だったのでしょうか? 最高に目立つ瞬間ではないでしょうか。

 棚橋 最初に歩いたのはメーンイベントに出るようになってからでした。東京ドームはやっぱりプロレスの醍醐味ですよね。目立てるし、本当に気持ちがいいものですよ。

 高谷 レスリングは、フリースタイルとグレコローマンの2スタイルあります。僕が専門としているフリースタイルは、両足タックルなどもありますが、豪快な投げ技のあるグレコローマンに比べると地味に見えてしまう面があり、派手さに欠けてしまうのです。

 ――それでも、高谷選手は試合の時、目立つためにいろいろ工夫していると思いますが

 高谷 優勝した時は、退場する時などに何かしらのパフォーマンスをやっています。

 棚橋 バック転などですか?

 高谷 バック転は吉田沙保里さんが毎回しているので、僕はやらないです。最近はALSOKのCMで踊っているので、マット上でも同じように踊ってみました。所属するALSOKにも貢献したと思います(笑)。

 ――高谷選手はパフォーマンスだけでなく、発言にもこだわっていますよね? 一昨年の全日本選手権では、負けた相手にリベンジして、「倍返しました」と発言しましたよね。時事ネタや流行語も、積極的に取り入れているように見えます。

 高谷 そうですね。常に時事問題などの情報をキャッチして頭に入れるようにし、切り返せるようにしています。

 棚橋 プロレスラーは瞬時にお客さんが何を期待しているかを判断して、次の動きを考えたりすることが要求されます。グラウンドの攻防が続いて動きが落ちてきたと思ったらロープに走ったり、棚橋コールが起こったら反撃に移ろうとか、お客さんの反応を見て行動することがあります。

 高谷選手が優勝した時は、応援している人も勝った喜びを共有したいと思っているはずです。そうした期待を受けてのパフォーマンスを磨いていけばいいと思います。高谷選手のような考え方のレスラーが、もっと多く出てきてくれたらいいですね。

 高谷 僕のような選手がもっと出てもいいと思います。

 棚橋 レスリングは、結果を残して初めてパフォーマンスができるという厳しさがあるからですね。

《第2回に続く》

棚橋弘至(たなはし ひろし)
 1976年11月13日、岐阜県大垣市出身。高校時代は野球の選手で、立命館大へ進んでからレスリングを始める。1998年2月に新日本プロレスの入門テストに合格し、1999年3月に大学を卒業してから入門。同年10月10日、東京・後楽園ホールでデビュー。

 2006年に第45代IWGPヘビー級王者へ。現在まで7度王座につき、同王座の通算最多防衛記録(27回)を保持。「プロレス界100年に1人の逸材」と名乗り、現在は第61代王者として新日本プロレスを支えている。

 2015年は1月4日の東京ドーム大会でオカダ・カズチカ相手に王座の防衛戦に臨む。2011年から5年連続で新春・東京ドーム大会のメーンイベントに登場。


 







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