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2015.01.02

【新春特別対談・棚橋弘至-高谷惣亮(2)】目立とう! 輝こう! キング・オブ・スポーツ、レスリング!

《第1回》 ← → 《第3回》


 ――高谷選手は“魅せるレスリング”を意識しているからか、疲れを見せずに、さわやかに試合をすることがありますよね?

 高谷 それを言うなら、棚橋選手こそリング上で「一度も疲れてない」って言ったことがありますよね? その言葉、いいなぁって思いました。

 棚橋 いつでしたかの東京ドームでの発言ですね(笑)。後輩が「棚橋さんお疲れ様でした。あんたの時代は終わりです」って言ったので、「待て待て、オレは生まれてから一度も疲れたことがないから」って言ったんですよ。レスリング選手のイメージにタフさがあります。息をあげずにクールに決めるのも、かっこいいかもしれないね。「疲れてませんけど」っていう感じで。まあ、「疲れたことがない」って言いながら、そのあとは、ゼェゼェ、ハァハァ言っていました(笑)。

 高谷 それがいいんですね。

 棚橋 たくさんの観客に突っ込まれながら、ってところがでしょ。

 ――棚橋選手はたくさんの名言をお持ちですが、それらの発言は事前に準備していた言葉なんでしょうか?

 棚橋 「疲れたことがない」という言葉は偶発的に出ましたね。僕の発言は、その場その場で出ることが多いです。(有名な)「愛してま~す」という言葉も、あまりよくない状況でチャンピオンになって、試合後にたくさんさんの人が押し寄せてきたことに感動して、「新日本プロレスの皆さん、愛してます!」って言ったのです。作ろうと思って何かやるのではなく、その状況の中で自然と出るものが、お客さんが欲しいものなんじゃないかな。

 高谷 その気持ち分かります。僕も関西人の気質でペラペラと言葉が出てしまいます。記者の方から、「高谷君としゃべっていると面白い」、「その言葉をもらうよ」と言われることがよくあります。

 棚橋 目立つためには、記者さんと試合前後にしゃべっておくことは大事なことです。コミュニケーション取っておくと、その言葉を大きく使ってもらえたりする。受けたな、と思ったら、もう1回言い直すとか、ふだんの会話が練習の場だと思うといいですよ。僕は、発言する瞬発力も大事だけど、ふだんからいろいろな言葉を使って貯めておきます。お客さんが求めている言葉を、あらゆる状況でバーンと出すことができます。

 例えば、中邑(真輔=青山学院大OB)がチャンピオンの時に、僕がファンから嫌われている時期があったんです。中邑と大谷晋二郎のIWGPタイトルマッチが終わった後(2009年両国国技館開催)、お客さんがジーンと感動しているところに登場して中邑を挑発しましたが、そっぽを向かれてしまって。

 その時、「中邑! どうだ、(オレは)うっとうしいだろ!」って言ったら、1万人のお客さんに受けて会場が盛り上がったんです。オレ、1万人に「うっとうしい」って思われていたんですよ。それはそれで複雑な気持ちになりましたけどね(笑)。

■「高谷選手にはレスリングの宣伝マンになってほしい」…棚橋弘至

 ――お客さんが思っていることを即座に言葉にするとは、さすがですね。高谷選手は日本男子のエースですが、その選手が率先してやるべきことはなんでしょうか?

 棚橋 高谷選手はレスリングを代表する選手なので、「レスリングはこんなに素晴らしいんですよ」とアピールし、広めるための宣伝マンになってほしいです。オリンピックの決勝だと、テレビを含めれば何億人という人が見ますよね。数億人が相手と意識してほしいです。僕はプロレスというジャンルを広め、もっとたくさんの人に会場に来てもらいたいと思っています。そのためには、トップに立つ僕が先頭に立って引っ張っていかないといけないと思っています。

 ――オリンピック競技の中でも、サッカーやフィギュアスケートなどは選手の一挙手一投足が報道されるような注目ぶりです。レスリングも、それくらい注目されたいものです。どうしたらいいでしょうか。

 高谷 僕は熱湯をかけられて、注目されましたけど…(注=このニュースをYahooがトップページに掲載して本ホームページの記事をリンクしてくれたところ、アクセスが殺到し、サーバーがパンクしてしまった)。

 棚橋 えっ! どういうこと?

 高谷 9月にウズベキスタンで行われた世界選手権の準々決勝で、ベラルーシの選手と闘って勝ったんですが、その選手が試合のあと、ポットに熱湯を入れて近づき、僕の頭にかけてきたんです。頭に火傷(やけど)を負いました。その選手は、試合中もグーで殴ってきたり、審判が見えない角度でラフファイトをすることで有名な選手でした。

 最初は水をかけられたと思いました。水をかけることで激励に来たのかな、と。でも、めっちゃ熱いんですよ(笑)。髪の毛があったからまだよかったのですが、後日、表面の薄皮がべろんとはげるくらいひどかった。でも、あと2試合後に次の試合という状況で、「えっ! ちょっと待てや」と思いました。

 棚橋 それはすごい出来事だね。でも、そのベラルーシの選手、プロレスだったら、いい悪者になれるのにね(笑)。

 高谷 ツイッターでは、『プロレスならいいヒールになれるのに」ってツイートされていましたよ。

《第3回に続く》

棚橋弘至(たなはし ひろし)
 1976年11月13日、岐阜県大垣市出身。高校時代は野球の選手で、立命館大へ進んでからレスリングを始める。1998年2月に新日本プロレスの入門テストに合格し、1999年3月に大学を卒業してから入門。同年10月10日、東京・後楽園ホールでデビュー。

 2006年に第45代IWGPヘビー級王者へ。現在まで7度王座につき、同王座の通算最多防衛記録(27回)を保持。「プロレス界100年に1人の逸材」と名乗り、現在は第61代王者として新日本プロレスを支えている。

 2015年は1月4日の東京ドーム大会でオカダ・カズチカ相手に王座の防衛戦に臨む。2011年から5年連続で新春・東京ドーム大会のメーンイベントに登場。


 







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